■奥村誕のお祝いコメント!
いよいよ法的に結婚できる16歳になる彼らへのプレゼントは、婚姻届デスヨネっ^0^
ハッピーバースデーゆきりん 未来永劫イチャラブでいてね^^


Slight Wish


「雪男ぉ  誕生日プレゼント何がいい?」

カレンダーを眺めながら、勉強机の前で退屈そうに椅子の背に身体を預け、ラムネジュースの瓶を銜えている燐が問いかけた。隣の机でパソコンの画面に集中していた雪男が、またかと呆れた顔で横を見る。
燐は毎年決まって誕生月になると雪男に同じ台詞を投げてくる。

「そんな事より目の前の課題を片付けるのが先だろ」

そっけない答えを受けて燐の目が細くなる。

「おまえなー、一年に1度の大事なイベントだぞ?来年の誕生日になったら、今年の誕生日はもう来ないんだぞ?」
「はぁ…。何あたりまえの事を言ってるの…。余計な事言ってる暇があるなら課題増やすよ?」
「冗談言うなよ…。この1枚すらがわかんねーっつーの。雪男〜 答え教えて?」

困り顔で笑って雪男を見つめる燐を見て、キーボードを打つ手が止まる。

「…兄さん、それ本気で言ってる?」

心無しか声音が低くなったような気がして、半笑いのままピキリと固まった燐に向き直り、雪男はおもむろに席を立った。
近づいてくる雪男に、燐のこめかみからひとつぶの汗が落ちる。

「じ…冗談。本気なわけ…ないだろ雪男? 自分でやるって…!」
「だろうね。…でもその格好、勉強する姿勢じゃないよね」

180cmの長身は、だらしない姿勢で座った燐にとって威圧的な高さでしかない。

「兄さん、…ほんとにわかってる? 祓魔師の試験に受からなかった場合、兄さんは殺されるんだよ?この世にいなくなれば、来年の誕生日なんか来ない。わかるよね?」
「わ…かってるよ…」
「まったく、どうしたら本気で勉強する気になってくれるのかな? …ね、兄さん。今年の誕生日はお預けにしない? ケーキはなし。プレゼントもなし。…兄さんが無事、来年の誕生日を迎えられたら、そのときは2年分のお祝いをしよう?」
「…え…やだ」
「どうして?」
「…ていうか、俺の分はそれでいいけど…。お前の分は、やりたい。ケーキだって作るし、プレゼントもやる。雪男のだけなら、やってもいいだろ?」

おずおずと見上げる燐を一瞥して、雪男は少し険しい顔をした。
1秒置いて、燐の顎を掴むと、すばやく屈んで口づける。

「…! なんだ…よ!いきなりっ」

背もたれに沿って思い切りのけぞり唇を逃がした燐が、目の前に迫った弟を見て赤面する。
優しげで誠実そうな眼差しと、整った顔立ちに、落ち着いた大人っぽさも備える弟の顔。いつものよそ行きなそんな表情とは別の、熱く眇める目も、余裕たっぷりに意地悪く笑う顔も、燐は知っている。

「…近ぇよ!あっち行け!」

思わず連想してしまったアレやソレが恥ずかしく、真っ赤になって顔を背けた燐は両手で雪男の肩を押し返した。

「何してるの兄さん?もう忘れちゃった?」
「な…に…?」
「時計見て? 0時すぎた」
「? …………あ」
「思い出した?」

今日中に課題を終らせること。終るまで遊ばないこと。できなかった時は、何でもひとつ言うことを聞くこと。

「っ… わ…かってるよ。何すりゃいい? カフェオレ淹れてくる?肩もむ?コンビニでミネラルウォーター買って来るか?えーとそれじゃなかったらぁ…」

雪男の無表情が不安で、燐は言葉を切らさないように喋り続ける。なんというか、本能的な保身として。

「何言ってるの…そんな簡単な注文じゃペナルティにならないだろ?」
「ちょっとまて雪男まさか…」
「ん、珍しくカンがいいよね」

ふっと表情をやわらげて、雪男が微笑んだ。

「お前っ 勉強にやらしいこと絡めるのやめろよな…!!」
「それ以外で兄さんに有効なペナルティってあるの?」
「っ… あ…ぁ… 」

言葉に詰まり、冷や汗をかいて椅子ごと後ずさる燐を許さず、椅子の足を掴んで一気に引き寄せた。
燐の耳元に唇を寄せ、小声でささやく。


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