■奥村誕のお祝いコメント!
生まれて来てくれてありがとう!!この一言に限る!!大好きだ!!!そして、こんな素敵な企画に参加させて頂く事を嬉しく思います^^お二方ありがとうございました♪


どこでそんなキス覚えてきたのさ


「この間行ったテストを返します…」

そう。
悪魔薬学のテストを行ったのは一週間前。
今でも嫌そうな兄さんの顔が思い浮かぶ。
その日のテストに限ってはスラスラシャーペンを動かしてたから、てっきり僕の悪口か意味不明な言葉を書いてると思った。
書き上がるのもいつもの通りで、終わった後は腕を枕に寝てたんだ。
採点する時も、どうせ0に近いだろうと思ってた。
思ってたんだ。
今回はキチンと名前も漢字で書けてるし、見た感じ空白はなく全て埋まってる。
妙な緊張感のなか僕はペンを走らせた。
勝呂くんや神木さんの答案の様に。
赤い丸が増えていく。
何度も見直し、名前も再確認するが紛れもなく筆跡は兄さんそのものだし見間違えるハズがない。

「…嘘だろ…兄さん…」


結果は。


「…奥村くん」
「はぁ〜い」

気だるそうに立ち上がり、教卓まで歩いてくる兄さん。
目が合うと唇が弧を描き思わずドキリとし、そんな僕を尻目に近付いてきて足を止めた。

「…にっ…奥村くん…今回は頑張りましたね」
「だろ?俺だってやりゃあ出来んの!」
「はは…いつもこうなら良いんですけど」
「うるせーっての!!」

答案を渡し席に着くなり、しえみさんを始め皆が兄さんの周りを囲み騒がしくなる。
兄さんは二桁いっただけだと答案を見せる事なく皆を交わしていた。
納得のいかない様子だったが授業中ということで渋々席に戻っていく。
誰よりも僕が一番納得がいかない。
そに後の授業も淡々と済ませて、チャイムがなり僕は兄さんの手を引っ張って教室を出た。
志摩くんの問い掛けにも気付かずに。

「どうしたんだよ…雪男」
「どうしたじゃねぇよ…」
「おまっ…なに?怒ってんの?」
「ここじゃ話しづらいから…寮に一旦帰るよ」
「あ?…あぁ…」

業務連絡だけは忘れずに伝え、近くのドアに鍵を差し込み寮の僕達の部屋へ着いた。
余程切羽詰まってた僕は部屋に入るなり荷物を床に投げ捨て兄さんに詰め寄った。

「兄さん、単刀直入に言う…カンニングしてないよね」
「しねぇし…つかおまえが見張ってんのに出来るわけねぇじゃん」
「そうだよね…」
「なに…俺の事疑ってんのか?」
「…今までが今までだし…それにいきなりっ」
「90点も取れねぇって?」
「そうだよ…0点ばっか取ってた兄さんがいきなり高得点取るなんて驚くだろ?」
「まぁ…なぁ…」
「ねぇ兄さん…どうしたの?」
「どうしたもこうしたも…おまえは素直に兄ちゃんを褒める事も出来ねぇのか」
「褒める前に真実を知りたい…」

見つめあったまま数分経ち、兄さんはベッドに座り僕にも座る様に促す。
仕方なしに兄さんの隣に座るといきなり抱きしめられ、驚く暇もなく兄さんは静かに語りだした。


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