▼ 恋しちゃってんだ、たぶん!
なんなんでしょうこの状況。
そりゃあ調査兵団に所属して毎日寮の食堂利用していれば一度はこういう経験だってあってもおかしくは無いです。
だからこれはおかしくなんてなくて、だから、そのえっと…
「…」
「…」
なんでリヴァイ兵長と向かい合って食事してるんでしょう…?
所属班も違うし、接点なんか無いし
私なんかが向かいで食べるなんておこがましいにも程がある!
なんたってこのお方は調査兵団兵士長、人類最強リヴァイ様なんだから!!!
な、なんだってー!?そいつはすげぇや!!!
まぁ偶然向かいに座られたってだけかもしれませんし?一人で食べてる私の向かいが開いててスペース勿体なかったから入ったみたいな?!
だから無言でも普通よね!!
「……おい」
「ひゃいっ!!」
話しかけられたぁああどういうつもりだ!?どういうつもりだゴルァア!!
こちとらな!緊張してスプーンカタカタしてんだぞゴルァ!!武者震い違うわ!ビビってんだボケェ!!
「……いい天気だな」
「……」
土砂降りだ馬鹿!!!稀に見ぬ豪雨だコノ野郎!!
リヴァイ兵長はそりゃあ水も滴るいい男でしょうし雨も嫌いじゃないかもしれませんが!?私は嫌いですよ!!連日だと洗濯物溜まるしな!!
こんな日は静かに優雅に雨音を聞きながら読書したいわボケ!!
リヴァイ兵長のおかげで雷も落ちそうだわ!!!
「…チッ」
舌打ちされたぁああ!!!
会話のキャッチボールでボール持ったまま球種考えてたら不機嫌にさせてしまったわ!!
何でもいい、何でもいいんだ!!言え!!
「そうですね、連日は困りますけど植物には恵の雨とも言いますし雨の日に静かに読書をするのは捗りますし、たまな雨は好きです」
+スマイル0円!!
どうだ、当たり障り無いこの回避術!!
世渡りスキルA+嘗めんな!!!
まさかの返答にフリーズするリヴァイ兵長、フハハ、思い知れ!!
「…そうか、邪魔したな」
「いえ、よい一日を」
顔をふい、と背けて食器を片付けに立ち上がったリヴァイ兵長
やった!!私、勝った!勝ったよ!!!
去って行ったリヴァイの頬が僅かに赤いなんて、内心ガッツポーズをするイズミは気づくはずも無かった。
(今日はイズミとかなり会話した…!)
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