大木戸研究所





【ヒロト】


おひさま園は静かに眠っていく。庭にも食堂にも既に人はいない。大人たちに追い立てられた子供は嫌々ベッドにもぐりこむけれど、昼間いっぱい走ったせいかすぐにぐっすりねむってしまったのである。

ヒロトは懐中電灯を手に見回りをしていた。

ひとりで闇夜をぶらぶらするのは案外おもしろいものである。小さい頃には思いつきもしなかった遊びだった。


――子供じゃないんだから遊んでないで働け、って緑川なら言うかな


ヒロトはうるさい秘書を脳内から消去して夜歩きを楽しむことにした。



To be continued




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