大木戸研究所






中2南沢さんと中1倉間くん

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夕暮れの帰り道。
倉間は南沢を追いかけて、坂道を駆けていた。

はぁはぁ、白い吐息。

体を動かすアツさに、冬の寒さなんて吹っ飛んでしまう。



「南沢先輩、今日も先に帰ってしまうんですか?」



南沢は自分の背後に後輩が立っているのに気づきながら、振り返らずに歩いていた。



練習をすっぽかして独りで帰ろうとする南沢を止められるのは、自分しかいないと、倉間には分かっていた。



「隣を歩くだけなら、いいですよね?」


南沢は倉間を一瞥すると、堪忍したようだった。
倉間の粘り勝ちである。
ふたりは一緒に通学路を歩き始めた。

「同じFWとして、先輩にいっぱい指導してほしいんです!」

「馬鹿、おまえ、もうすぐ2年生になるんだろう。後輩がたくさん入部してきたら、今度は倉間が指導する側になるんだぞ」

「そうですけど…」

「俺なんていなくたって、もう今の倉間なら大丈夫だ」

はっきりしない倉間の態度に、南沢はため息をついた。

「だから、いいかげんに俺に纏わりついてくるなって言っ……」

「心配なのは南沢先輩の方です」




しばらく、見つめあうと、倉間は照れ笑いをした。




「南沢先輩のことを心配しているのは俺ぐらいだってこと、忘れないでくださいね!」



夕日に向かって倉間が走り去っていく。
その後ろ姿を見ながら、南沢は、ひとり大きく伸びをした。







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突然、この二人のやりとりが浮かんできたので、ひさしぶりに南沢先輩と倉間くんに登場してもらいました。
レジスタンスジャパンとして登場してきたときは、嬉しかったぁ〜





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