中2南沢さんと中1倉間くん ---------- 夕暮れの帰り道。 倉間は南沢を追いかけて、坂道を駆けていた。 はぁはぁ、白い吐息。 体を動かすアツさに、冬の寒さなんて吹っ飛んでしまう。 「南沢先輩、今日も先に帰ってしまうんですか?」 南沢は自分の背後に後輩が立っているのに気づきながら、振り返らずに歩いていた。 練習をすっぽかして独りで帰ろうとする南沢を止められるのは、自分しかいないと、倉間には分かっていた。 「隣を歩くだけなら、いいですよね?」 南沢は倉間を一瞥すると、堪忍したようだった。 倉間の粘り勝ちである。 ふたりは一緒に通学路を歩き始めた。 「同じFWとして、先輩にいっぱい指導してほしいんです!」 「馬鹿、おまえ、もうすぐ2年生になるんだろう。後輩がたくさん入部してきたら、今度は倉間が指導する側になるんだぞ」 「そうですけど…」 「俺なんていなくたって、もう今の倉間なら大丈夫だ」 はっきりしない倉間の態度に、南沢はため息をついた。 「だから、いいかげんに俺に纏わりついてくるなって言っ……」 「心配なのは南沢先輩の方です」 しばらく、見つめあうと、倉間は照れ笑いをした。 「南沢先輩のことを心配しているのは俺ぐらいだってこと、忘れないでくださいね!」 夕日に向かって倉間が走り去っていく。 その後ろ姿を見ながら、南沢は、ひとり大きく伸びをした。 -------- 突然、この二人のやりとりが浮かんできたので、ひさしぶりに南沢先輩と倉間くんに登場してもらいました。 レジスタンスジャパンとして登場してきたときは、嬉しかったぁ〜 [コメント] [目次] |