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ひねくれ×素直

元拍手


「幸(さち)はどーせ、母さんに言われたから渋々俺と遊んでくれてるんだろ!知ってるんだからな」
「みーくん?僕はみーくんと遊ぶのが楽しいから遊んでるだけで、みーくんのおばさんは関係ないよ?」
「いいや嘘だ!俺みたいな奴といて楽しい訳がない!」
「えー、そうかな?僕は楽しいけどなぁ?」

幼馴染のみーくんは昔からちょっと思い込みが激しいところがある。
いつもは物静かで口数が少なく、子どもにしては大人っぽいと同級生から一目を置かれているが、僕といる時だけは「幸は俺のことウザいって思ってるんだろ」と何でそういう発想になるのか、よく見当違いなことを言ってくる。
僕はみーくんといるのが楽しいし、みーくんが好きだから一緒にいるのに、それをわかってくれない。
だけどそれはみーくんが僕のことをすごい好きだから不安になってるんだと気付いた時、今まで以上に僕はみーくんのことが大好きになった。

「幸には俺がいらないだろうけど、俺には幸が必要だ。ずっと前から幸が好きだった」と中学1年の秋、みーくんと出会ってから6年が過ぎた年に告白をされた。
相変わらずの思い込みに『もぉ!』と思う気持ちもあったが、みーくんは本当に僕のことが好きなようで、珍しく顔を赤くして真っ直ぐ僕を見ているみーくんにキュンと胸が高鳴った。
「僕もみーくんが必要だよ」と返事代わりに言うと、その時だけは「そうか」とみーくんは嬉しそうに笑顔を浮かべた。


付き合い始めてもみーくんの思い込みは変わらず、いくら僕がみーくんに「好きだよ」と伝えても「僕みたいなののどこが良いんだ」とへそを曲げるし、友達と遊びに行けば「浮気だろ!!」と疑ってくる。
だけどそんなみーくんも含め、僕はみーくんが大好きだ。







補足

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