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優秀後輩×平凡先輩

僕はとても平凡で何も自慢することがないけど、何かあげるとするなら、僕のことじゃないけど知り合いはみんな出来た人間ばかりで本当に尊敬する人達ばかりだ。
こんな何も取り柄がない僕には勿体無いほどみんな優秀でしかもみんな優しい。
特に後輩の良原(よしはら)くんなんて、僕よりも4歳も下で働き始めて1年ぐらいしか経ってないのに、もう僕よりも何倍も仕事ができてしまうすごい子だ。
本当なら僕が良原くんに教えてあげる立場なのに、最近じゃいつも僕の方が良原くんに教えてもらってばかりいる。
だけど本当に良原くんはすごいんだ。
仕事は出来るし、俳優さんみたいにカッコいいし、何よりこんな不出来な先輩の僕に懐いてくれている。




「森山(もりやま)さん、仕事終わりましたか?」
「ごめん。良原くん、もうちょっとで終わるから。それよりももう良原くんは午前の仕事終わったの?やっぱりすごいなぁ」
「……たいした量ありませんでしたから」
「いやいやたくさんあったでしょ。僕ならあんな量あったら2日はかかっちゃうから本当に尊敬するよ。だけど良原くんばっかり負担はかけさせられないからもっと僕も頑張らなくちゃね」
「負担なんて全然……僕も少し手伝います。終わったら今日は社食に行きましょう」
「え?!そんな、僕の仕事なのに悪いよ……でも良原くんに手伝ってもらえば直ぐに終わって、お昼の時間少しでも長く良原くんと居れるしお願いしようかな。あ、もちろんお昼はお礼として僕が奢るよ」
「……」
俺は森山さんが大好きだ。
無意識なのか何なのか、森山さんはいつもこれでもかってほど俺を褒めてくれる。
今まで出来て当たり前。出来なきゃもっと頑張れと言われ続けてきた俺に、森山さんは何も頑張っていなくても俺を褒めてくれる。
それは仕事のことや容姿、そして性格まで褒められるので最初は恥ずかしくて返事が出来ないでいたが、最近ではそれもやっと慣れてきた。
だけどやっぱりたまに照れてしまうこともあるが、森山さんが本心から言っていることだとわかっているので褒められると本当に嬉しくてたまらない。

森山さんは自分は平凡で取り柄がないと言っているが、森山さんは人を頑張らせる天才だ。
森山さんに褒められるとやる気が出てもっと頑張ろうという気持ちになる。
現に、いつも森山さんに褒められてる俺はそのおかげで成績が伸びに伸びてる。
そして伸びた成績にまた森山さんが褒めてくれるので、さらに成績が伸びまくっている。
森山さんに褒められて嬉しいという気持ちもあるが、何よりも入社から可愛がってくれる森山さんを恋愛感情で好きな俺は良いところを見せようと毎日必死だ。
森山さんは気付いてないだろうが、森山さんのことが好きな人は多いため、自然とライバルも多い。
それも年齢性別問わずモテるので気が気じゃない。
みんな森山さんに褒められるとコロッと好きになってしまう。
俺も人の事は言えないが、褒めてくれるから森山さんを好きになった訳じゃない。
俺は人の良いところを見付けて恥ずかしがらずに心の底から相手を褒めてくれる優しいところや頑張って先輩をしようとしてる姿、森山さんの全部が好きで好きでたまらない。
だから他の人を褒めてるのに嫉妬はするが、相手の良いところを即座に見付けてしまうところにまた森山さんを好きになってしまう。


「良原くんは食べ方も綺麗だよね。まずお箸を持つ手が綺麗だし、持ち方も綺麗。食べる動作も綺麗で、本当どうやったらそんな綺麗に食べられるの?」
「ありがとうございます。でもそんなことないですよ?」
「ううん。すごく綺麗でいつも見惚れちゃう。こんな綺麗な食べた方、良原くん以外見たことないよ」
何でもないことでも森山さんは褒めてくれる。それは俺が少しでも森山さんに良く見られたいがためにやっていることにも直ぐに気付いて、これでもかってほど褒めてくれる。






補足

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