昼も夜も君を想う | ナノ




なんか同じ単語を多用してます。
ちょっと…ウザイかな←















昼も夜も君を想う


















夜。
いつもならシカマルはとっくに眠りに入っているはずの時間。
だが今日は昼間に暖かい太陽に誘惑されて、随分と長く寝てしまったせいか中々寝付けなかった。


「なんだバカ息子、まだ起きてたのか?」
「……うるせぇ。」

珍しいこともあんだな、と呟いたシカクを尻目に縁側に腰を下ろした。
縁側で空を見上げるシカクの側には、徳利とお猪口。

「…母ちゃんに叱られるぞ。」
「そしたらお前も、とばっちりくらわせる。」
「ふざけんなクソ親父!」

だが確かに怒って機嫌の悪い母は面倒くさいので、シカマルはため息をついて黙ることにした。
そしてふと空を見上げる。
よく晴れた今日は夜空も澄み渡っていた。
深い闇の中にうかぶのは無数の星々と…

「どうだぁ、いい月だろう?」
「………ああ。」
「こんな月なら酒が欲しくなっても仕方ねぇだろうが。」
「アホか…。」

そう口にしながらも、シカマルは内心仕方ないかもしれないと思っていた。
ひっそりとしたイメージのはずの月は、淡い輝きを放ちながらもその存在感は大きく、心を惹きつける。
夜の肌寒い位の空気の中で月は優しい光を差し、心なしか暖かさを感じた。

「白っつーか、琥珀っつーか…金色っつーか…ま、綺麗なモンだなぁ。」
「なんだそりゃ…もうちっと上手く言えねぇのかよ。」
「うるせぇバカ息子、お前例えてみろよ。」

素直に答えてやるつもりはないが、一応少し考えてみた。
そんな詩的な表現なんてうかばない。
じっと見上げる月は単に美しいと言うには惜しい。



何かに例えるとしたら…。



ふと月の輝きと色に思い出したものが、するりと口から出ていった。



「………   …。」



「あ?なんだ?」
「っなんでもねぇ…」

キョトンとした顔のシカクを残し、シカマルは縁側を去った。




言葉に出てしまったそれを思うと止まらなくなる。
普段なら月と逆のイメージが強いはずなのに…。
時おり見せるあの笑顔が、シカマルの脳内を甘く満たす。
それは心を惹きつけてやまない月に似ていて。



























コン

…コンコン

…コンコン

ドアを遠慮がちに叩く音で、眠りに沈んでいた意識は浮上した。
眠い目をこすりながら扉を開けると、そこには自分の愛しい人。

「は〜ぃ…っシカマル!?」
「よぉナルト…夜中に悪いな。」

とりあえず上がれってばよ、と言われシカマルはナルトの家に入った。

「わりぃ、寝てただろ?」
「別にいいってばよ!で、どうかしたのか?」

そう言って笑いかけるナルトの頭を、そっとシカマルの手が撫でた。
優しく引き寄せらたナルトは困惑しながらも、シカマルに委ねた。

「な、なんかあったってば?」
「…いや…まぁ、うん。」

シカマルにしては歯切れの悪い返答に首を傾げる。
だがシカマルは頬をかきながら目線をそらしてしまった。
こういった反応をする時はしつこく聞かないと話さない。
それを知っているナルトはシカマルに詰め寄った。

「な〜ん〜だぁ〜って〜ばぁ〜?」
「……っう。」

思いっきり顔を近づけられ、シカマルは怯む。
ジーッと蒼い目で見つめられ、とうとう観念したのか小さな声を出し始めた。

「…月がよ…その…」
「ん?月?」

つい窓の外に目をやると、確かに綺麗な夜空。

「うわ、今日すげぇ綺麗だってばね!」

嬉しそうに窓に寄り、ナルトは折角だからと電気を消した。
シカマルと同じようにナルトも月に魅せられてしまったようだ。








「綺麗だってばねぇ…」
「…ああ。」

近くに寄ると、ナルトは優しい笑みをうかべて月を見ていた。
シカマルはつい柔らかな金色に手をのばしてしまった。

「シカマル?」
「月を見てたら…お前を思い出したんだ。」

月の光に照らされた金色の髪は、いつもより優しい色に見える。
その色は家で想った愛しい色。

「思い出したら止まんなくてよ。会いにきちまった…」

ハハッと優しく笑うシカマルにナルトは顔を真っ赤に染めてしまった。
その様子にシカマルも何を言ったのか思い出し、二人で真っ赤になってしまった。
やがてナルトはヘヘッと嬉しそうに笑った。

「会いにきてくれて嬉しいってばよ。」
「お、おう。」

ポスッとシカマルの腕の中に収まったナルトは上機嫌。
ニコニコと笑うナルトは薄暗い部屋の中でも、まるで昼間に浴びた太陽のようだった。

「…お前、太陽みたいだよな。」
「え!月じゃないの!?」
「いや、そうなんだけどな…」

ハツラツとみんなを前へ向けさせる太陽のようで。
包み込むような優しさを秘めた月のようで。











「じゃあシカマルは空だってばね!」












共に色を、姿を変える空。

それは太陽と月の在る場所。


「お前ってやつは…」

適わねぇな、と呟いてそっと唇を重ねた。
月明かりに照らされた部屋で二人は幸せそうに笑いあった。














世界になくてはならなくて

光を

導きを

優しさを

暖かさを与えるもの

愛しい愛しい

光を詰め込んだような

空に愛された子









空を見上げれば



昼も夜も



君を想う





end.


前々からイメージだけぼんやり持ってた作品。
やっぱり中身もぼんやりしましたね←
この話のせいで文字の予測変換が大変なことになりました。
いつか書き直そう、うん。



小説TOP
TOP