告白される
2011/01/10


「てめーが全部オレのものになればいいのにな」

「…お前は馬鹿か」
「まあな」
角都からやんわり否定の言葉を聞き飛段は少なからず傷付き寂しくなった。そうだ、残念ながら角都が飛段の物にはなることはない。こうなる事は初めから知っていたが自分の中で溜まっていく思いにどうしようもなくなったのだ。
(だって仕方ねえよ、角都はオレのことが好きじゃねーんだ)
角都は金の計算に夢中だった。この時はどんなに飛段が話掛けても大体無視か殴るか蹴るか。それを狙って言ったのに案外真面目に返されてしまい飛段は今更になってしまったとひどく動揺した。
「オレがお前のものになるなど聞いただけで癪に障る」
「…おう」
「馬鹿で弱い癖に自信過剰、我が儘で糞餓鬼で」
「もういいって」
「そんなお前のものなど」
「オイ角都よ」
「だから、お前がオレのものになればいいだろう飛段」
飛段は角都を見た。さっきと同じ帳簿を開き熱心に何か書き込んでいる。もしかして角都が好き過ぎて幻聴でも聞こえたのだろうか。いやもう何だっていい。飛段は布団を頭から被り熱い息を吐く。

なァ、だってそれって結局てめーはオレのもんって事じゃね?



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