永遠の恋人
2011/03/14


「ホワイトデーは、バレンタインのお返しをする日なんだってな」
「知ってる」
「…オレ角都に渡すモンとか用意してねーんだけど」
黙々と帳簿を付けていた角都は大人しく布団に包まっている飛段を横目で窺う。枕に顎を乗せながら下唇を突き出している姿はまるで拗ねた子供の様で、角都はマスクの下で小さく笑った。
「見返りが欲しくてお前に渡した訳ではない。まあ無いに越した事はないがな、金なら尚更」
「……」
眉間の皺を更に深くしてこちらを睨む飛段に満足した角都は再び帳簿に集中する。が、いつの間にか隣に移動して来た飛段にペンを奪われそれは無理矢理中断させられた。
「オレが金持ってねーのは角都が一番よく知ってんだろォ」
「だから、見返りは期待していないと言っただろう」
飛段は悔しそうに、でもよォと呟いた。
「やられてばっかなのは納得いかねー。来年はちゃんと用意するから、なァ」
「……はあ」
「んだよ、オレだって角都の事好きなんだから仕方ねーだろォ?」
無言でペンを奪い返し、一向に食い下がる気配のない飛段に角都はもう一度深い溜め息を吐いた。
来年角都がバレンタインに菓子を贈るとしたら飛段はまた再来年に礼をするのだろう。
そして角都は更に、なんて事を考えてしまった自分に心底うんざりしながら。



色々玉砕orz
日本語って難しい



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