ハッピーバレンタイン
2011/02/14


今日は聖ウァレン…なんとかが死んだ日で、好きな相手に甘い菓子や花を贈る日でもあると博識な相棒が言った。
オレにその甘い菓子、チョコレートを差し出しながら。
角都が何も言わないのでオレも黙ってそれを受け取る。しばらくの沈黙のあとに義理ではないからなと念を押されたが、義理ってなんだと聞いたオレにやっぱり角都は何も答えない。なんだよ。
「…もっと早く教えてくれりゃあいいのによ、そしたらオレだってチョコレート買ったのに」
「……」
「そしたら、今日、オレだってお前に告白出来たのに」
オレが角都を好きなのは今さらって話で、特に言う必要もないと思っていたしそれ以上を求めていた訳でもなかったんだけど。
「…バレンタインデーはあくまできっかけであって、チョコレートが必要不可欠という訳ではない」
「へぇ」
じゃあお前オレのこと好きなの、聞けば、そうだ悪いか、と返事が返ってくる。悪くはないがオレの気持ちに気付いてた癖に(多分)角都はそれを徹底的に無視していたからきっとそういう事なんだろうなと思ってた。
「オレも角都のこと好きだけど、どうすりゃいいわけ」
「別にどうもしない。これからも今まで通りだ、飛段」

今まで通りって、今までオレたちキスとかした事ないのにとは思ったが口には出さなかった。初めてのキスは甘酸っぱいレモンの味、と昔どこかで聞いたことがあったがどうやら違うらしい。S級犯罪者のオレたちがチョコレート味って何か笑えるな、角都よ。



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -