幸せかもしれない
2011/02/13


賞金首や面倒な敵襲に出会すことなく、ただひたすら目的地へと足を進めるだけの日があった。
そういう時の飛段は決まって暇だの儀式してーだのさんざん文句を垂れるが角都はたいていそれを聞き流し黙っている。
「なァ角都よ、今回はマジで尾獣のヤローなんだろうな!オイ聞いてんのかコラァ」
少し後ろを歩いていた飛段が角都に並んでその肩を軽く殴る。暇だからじゃれて欲しいのだろう。マスク越しでも感じる飛段の匂いに角都はうっとり目を閉じた。
「お前は本当にうるさい。尾獣の情報がこうも少なくてはしらみ潰しに調べる他ないだろう」
「…チィ、そうかよ」
しかし角都は思うのである。やかましい上に我が儘で自尊心の高い傲慢な相棒に持つのはやたら困憊するが、それ以上に。



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