後悔はしていないが
2011/02/13
「確かにオレァ死なねーけど、イテーもんはイテーんだからな」
角都の手酷い暴力を甘受したあとに飛段はぽつりとそう言った。
しばらく空中を彷徨っていた角都の手はやがてぎこちない動作で飛段の乱れた前髪を撫で付け、血や泥で汚れた顔を拭った。抵抗が邪魔だと圧し折った腕もじきに治るだろう。そうして角都は、飛段、お前が不死身で良かった、とひどく安堵するのである。
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