最後の始まり
2011/01/10


さァこれで終わりだと勢いよく仕込み杖を胸に刺すと心臓がビクリと跳ねる感触が伝わって来る。きもちイイマジでたまんねぇ。久しぶりだから今日はちょっと念入りにしねーと、と思っていたらいきなり奴に殴られた。神聖な儀式を邪魔されブチ切れたオレは文句を言おうと口を開く。だが、奴はそのまま飛び出したオレの舌を鎌でぶった切りやがった。意味分かんねぇ!てめーいきなり何しやがる!そう言ったはずなのに、実際はフガフガと何も言葉になってなくて焦る。舌がないだけでこんな情けねぇ事になんのかよ!なんて変な事に感心してる場合じゃない。ふいに手を取られて、奴の剥き出しになった肉の間へと誘われる。元々血まみれだった手は奴のせいで更に腕まで真っ赤になった。心臓はトクトクといつもより小さく響いていてオレらしくもねぇ、嫌な考えが頭をよぎる。なァもしかしてお前死ぬのか、死なないよな、大丈夫だよな、だってオレまだ死ねねーよ、つーか何でこんな時に舌切るんだよオレ何も言えねぇじゃねーかクソヤロー!角都が何か喋ってる。でも血が足んなくて何言ってんのか聞き取れねー。意識がだんだん遠退いて行くなかオレはただ祈る事しか出来ない。
(ああジャシン様、不器用で優しい目の前の男をどうかどうか見捨てないでくれ!)



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -