最後の時、ではなかった
2011/01/10


角都が中に入って来る。痛いのときもちイイのと怖ェのが一緒になってどうすりゃあいいのか分からなくて、取りあえずオレの上で必死な面した角都の名前を呼んでみた。少しして息を吐くような小さい声で、ひだん、と呼ばれてオレは不思議としあわせな気持ちになる。角都のこめかみから流れて顎を濡らした塩辛い汗を口に含んだら、馬鹿がと呆れたように奥を思い切り突かれた。上半身を曲げた角都の心臓にオレの心臓が重なりドクリと更に強く打つ鼓動に堪らず口を寄せた。ああ角都。良かったいつも通りだ。あんだけ血塗れになったのに結局死から程遠い場所にいるオレ達は変わる事はないらしい。明日も、多分その先も。



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