果ての先
2011/01/10


きゅうっと首に回された手が熱く感じる。吐く息が白さを増す。いつもはきっちりと後ろに流している銀色の髪は乱れて背にした雪と混じりあい境界線がどこなのかさえもう分からない。つくづくこの男と自分は対極にあるのだと思い知らされ、少し眩暈がした。ここが何処かなど考える事はしない。求められれば応える他無かったのだと、自分に言い聞かせてただ無言で角都は腰を振った。
「ァ、ア、角都、…すげぇっ」
一度も触れていない飛段自身は後ろでの快感のせいかビシリと血管を浮き出たせふるふるとその存在を主張している。そうしたのは角都のはずなのだが無性に腹が立ったのでそれを思い切り握った。
「うあぁあ痛ぇッ!くそ、痛ぇよ角都ッ」
「それが良いんだろうお前は」
「あぁそうだよ、悪ィか、…うあっそれ、あああ角都、それすっげえ気持ち良い!」
みっちり密着して自身に絡み付く肉壁に角都の下半身は熱が上がる一方で、だが頭は徐々に冷静さを取り戻す。困ったものだと角都は溜め息をついた。よく分からないがこういう時の飛段は実はあまり好きではない。のかもしれない。
「角都、角都角都、角ッ…、」
それ以上声を出せないように飛段の口を塞いで目をつぶる。暗闇に包まれ角都はやっとの思いで安堵の息を吐いた。ああこの男の存在を消してしまえたらどれだけ楽になれるだろうかと考えてすぐに止める。下らない。そして角都は飛段の中で熱を吐き出す。繰り返し繰り返し。だって自分達は決して終わることなどないのだから。



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