庇う
2011/01/10


イテーイテーと飛段が叫ぶ。先の戦闘で敵の火遁をモロに喰らい、珍しく右腕までも切られるという非常に不様なやられようだった。ブチ切れた飛段はトドメを刺そうとした角都を止め、隙をついて敵の血を摂取する。そして無事贄をジャシンに捧ぐ事に成功し、無くなった右腕をくっつけて貰おうといそいそと角都の元へ戻った。
「何故避けなかった」
「ハァ?」
「さっきの火遁だ」
角都はかなり苛立っていた。今回の敵は特に戦闘に優れた風には見えず、暁一弱い飛段(と言っても普通の忍と比べるのはあまりにも非情だ)でももちろん余裕で勝てると思っていたのだ。だが、何故飛段は怪我をしているのか。
「あれぐらい避けられたろう」
「うるせーなァ!屠ったんだからもういいだろ」
「良くない。繋いでやるオレの身にもなれ、不死身だからと言ってむざむざ喰らう必要はない」
「…だってあん時、てめー後ろで印組んでたじゃねーか。でも、オレは死なねーからよォ」
「…何を言ってるんだお前は」
オレだってそんな簡単にくたばる男ではないぞ飛段。だが角都はいつだって理解出来ない。飛段という短絡的で真っ直ぐな人間を。




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