僕のなかできみが好きという想いは風船のように徐々に大きく、溢したコーヒーのように染み広がっていった。そして全身へ広がる頃にはきみを見かけただけで動悸を起こし、きみに少し触れただけで甘く痺れて熱を持つようになっていた。僕の時間全てがきみのことでいっぱいで食事もうまく喉を通らない、なけなしの自信も何処かへ姿を消してしまったようで情けない想像ばかりが先行する。それは日常生活に支障を来すほど症状は深刻だった。
 そこで僕は考えた。三日三晩考えた。どこまでも考えたところで今の僕には嫌な想像しか出来なかったが、それでも現状を打破するためには必要なことだと心に決めて僕は僕に出来る一番かっこいい僕になってきみに全てを打ち明けることにした。
 そうして僕は世界で一番酷い大罪を震える口を隠すことも厭わずに告白したのだった。
 
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