「大馬鹿もんやなあ」 「知ってる」 「分かってへんわ、自分がとんだ馬鹿野郎てこと」 目の前の女は自覚しているとのたまう。 んな阿呆な、と彼は思った。 “自分の感情が分からないから教えてほしい” なーんて、平気で言ってまう奴がよう言うわ。 ウケでも狙っとるんやろか? いやいや、全ッ然笑えへんでほんまに。 等と自問自答するも束の間 どうしたものかと考えるも名案は浮かばず 男は思考するのを止めた。