今日で世界が終わるとしたら。




もしも今日で世界が終わるとしたら、


あなたならどうしますか。


お世話になった人たちに挨拶に行く?

好きなものを好きなだけ食べたい?


それとも、それとも………





私たちは間違いなくそんなことが起こりうる立場にいる。
戦いに負けたら死ぬんだろうし、もしかしたらガイアもテラも全部なくなってしまうのかもしれない。

今は実感が湧かなくても、強敵を目の前にしたらプレッシャーに堪えられなくなるかもしれない。


そう思ったら胸が締め付けられるような感覚。
ああ、私きっと不安なんだ。





「眉間に皺が寄ってるぜ?」

「え?やだ、ブスになっちゃう」

「何だよそれ。ちっとも思ってないだろ」


そう言って笑いながら眉間をぐりぐり押してくる。
そんなことで皺が伸びればいいのに。


「何か悩み事なのか?」

「ううん。悩み事っていうかね、不安なんだ………多分」

「不安………か」

「ねえ、もし………もしもの話。
今日で世界が終わるとしたらジタンはどうする?」


世界を賭けた戦い。
私たちが“生きる”ことに悩み続けた旅路。

私の第二の故郷。





「好きな人の隣にいたい、かな」





「………キザだとは思ってたけど、ロマンチストだったっけ?」

「おいおい、結構真剣に答えたつもりだぜ?」


恥ずかしげもなく答える彼は何ともあざとい。これでコロリと落ちた女性はきっとたくさんいるだろう。


「じゃあ、ツカサはどうするんだ?」

「え?」

「考えていませんでしたー、は無しだからな」

「うっ………」


先手を打たれてしまっては仕方がない。
私もできるだけ一生懸命考える。真剣に。本気で。


「また眉間に皺が寄ってるぜ?」

「もう!今真剣に考えてるのに!」


明るくてキラキラした笑顔で彼が楽しそうにこちらを見ている。期待の眼差しに緊張した。
もし、今日で世界が終わるなら………
終わってしまうのだとしたら………


(あれ?何で世界が終わっちゃうんだろう)


人にはあんなにもザックリした質問をしておいて、自分はそういうところを気にする。
しかし世界が終わるほどの大事………過去のFFだって隕石を防いだり、魔女と戦ったりしたのだ。
今更できないことなんて無いのかもしれない。

彼のようなロマンチックな言葉が出てこない所が私らしいけれど、きっと私ならこうするはず………そう思って彼に向き直った。


「わかった!」

「お?聞かせてくれよ、ツカサの考えを」

「私だったら、私たちだったら………きっと最後まで悩むんだと思う。
世界を終わらせないために考えて、悩んで、がむしゃらになるんだろうなって。

だって、みんな意外に諦め悪いでしょ?
だから私の答えは1つ“世界を終わらせない”」


話ながら頭の中ではみんなが頑張っている姿が見える。そう、これが私の答え。


「そういう答えはズルくないか?
俺の答えが浮かれた奴みたいじゃないか」

「ううん、そんなことないよ。
それが終わったら私も好きな人の隣に、好きなだけいるんだから」


キョトンとした彼の表情に思わず笑ってしまう。
彼も私を見て優しく笑った。そしてそっと手を繋ぐ。


「行こう、ツカサ!
まだ不安になるのは早いぜ。俺たちにはやるべきことがあるんだからな」

「もちろん。後悔だけはしたくないもの!」


ギュッと握り直した手からは、彼の優しさと温かさが伝わってくるような心地好さ。


いつも傍にある温かさ。
大切な人たちが住む、守らなきゃいけない世界。





不安なんて私たちの前では大したことないの。





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メテオって隕石だよね………って心配があったので調べてみました。


メテオは隕石
コメットは彗星


なるほど、勉強になります。







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