腹話術師
i-mobile
297 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/08/07 17:05
これは日本の話ではないけれど…、
とある地方の小さな街に、寂しい一人暮らしの女性がいました。
楽しみといえば、週末の夜に訪ねる小劇場での芝居見物でした。
そんなある日、芝居の幕間にある余興が入ったのでした。
ハンサムな腹話術師が椅子に座り、膝の上に乗せた人形と
馬鹿ばなしをする…よくある、何の変哲もない腹話術です。
しかしハンサムなだけではない、なんと美しい声なのだろう…と、
ひと目みて彼女は、その腹話術師に恋をしたのでした。
次の週末も、また次の週末の夜にも、その腹話術の余興はあり、
彼女の恋心はつのっていくばかりました。

意を決した彼女は、ある夜、余興が終わり幕が降りた後、
楽屋を訪ねてみようと思い、行動に移しました。
しかし楽屋を訪ねた彼女に、扉の向こうから聞こえてきたのは、
「残念ですが、お会いする気持ちはありません」という
彼からの冷たい返事でした。彼女はとても残念に思いながら
その夜は諦め、すごすごと楽屋を後にしました。
憧れの人と一対一で過ごしたい…彼女の願いはかないませんでしたが、
その夜限りで諦めてしまうことはなかったのです。

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