バイク事故
i-mobile
320 名前:経験者 投稿日:2001/08/08(水) 15:07
今日は仕事も暇なので、もう一発

この話は俺が17歳の時の話し。

当時俺はバイクが好きでいろんな峠を走り回っていた。
一人で行く事はほとんどなく、仲間内の5台前後で
行くことが多かったのだが、その時はたまたま
人数が揃わないために、俺とBの二人だけで
行くことにした。

前日にうち合わせ、O峠に向かうことにした。
その当時のO峠は、日曜日になると百台以上のバイクが
やって来る走りのメッカになっていた。

朝7時に待ち合わせをして、二人でO峠に向かう
二人の住む場所からO峠まではのんびり行けば2時間
俺はインパルス、BはRZ350Rに乗り順調に
O峠にたどり着いた。

それから早そうな奴を見つけてはバトルを仕掛けていった。
30分程走り、休憩のために茶屋コーナーにバイクをいれ
缶コーヒーを飲みながら他の奴の走るのを眺めていた。


321 名前:経験者 投稿日:2001/08/08(水) 15:08
今の奴かなり早いね、などとBと雑談していると
下のほうからCBRがやってきた。その後方からは
MVX250、そのMVXが通りすぎた時、俺はあせった
タンデムシートに何かがしがみついている。

それをBも確認したらしく、慌ただしく缶コーヒーを投げ捨て
ヘルメットをかぶろうとしていた。
俺も同じようにヘルメットをかぶり、Bを追いかけるように
バイクを出した。

走り出して2〜3分で二人の前には悲惨な光景が
飛び込んできた。さっきのMVXだ。
反対車線から来たワンボックスに正面衝突していた。
ワンボックスの後方では、連れだったらしくCBRの男が
MVXのライダーを助け起こしていた。


322 名前:経験者 投稿日:2001/08/08(水) 15:09
俺が見たときにはMVXのライダーの顎から首筋にかけて
大量の血が見えた。すでに痙攣を起こしている。
Bはバイクをワンボックスの後方に止め交通整理を始めた。
それを見て俺は、Bに「救急車を呼んでくる」そう告げ
電話のある茶屋コーナーに急いだ。

電話を終えて現場に戻ると、CBRの男がMVXの男の
ヘルメットをはずし、人工呼吸を始めている。
喉にたまっていたであろう、血を吸い出し必死に蘇生
させようとしていた。その後激しい痙攣の後MVXの男は
動かなくなっていた。

動かなくなった男を抱きながら、CBRの男は泣き叫んだ。
血で真っ赤になった口を拭きながら、「なんなんだよっ
あれは、何なんだよあいつは」・・・「K起きろよ、起きてくれよ」
「何だったんだよー」その言葉を聞いて
俺は鳥肌が立った。見間違いじゃ無かったんだ。


323 名前:経験者 投稿日:2001/08/08(水) 15:10
15分が経ち救急車が到着し男を乗せて走りだしていった。
それから警察による事故処理が始まり、俺達二人も
事故の状態を聞かれた。
しかし二人が到着した時にはすでに事故後だっため
俺達には詳しい状態はわからなかった。

ワンボックスの、男の人の話では、相手のMVXは
右コーナーにもかかわらず直進してきたのだそうだ。
俺達にはその行動は理解出来なかった。
少なからず回避行動はするのだが、現場には
スリップ痕も残っていなかった。

しばらくすると警察が呼んだレッカー車によってMVXは
片づけられ、同じようにワンボックスも引かれていった。
俺達は、バイク仲間という意識で、残さされたCBRの
持ち主を待った。

夕方まで待ったのだが、戻って来ないためT町にある
知り合いのバイクショップに預ける事にした。
その場に張り紙をして、俺達はCBRを移動した。


324 名前:経験者 投稿日:2001/08/08(水) 15:10
それから1週間が経過した。CBRの男から連絡が
来て、バイクショップで待ち合わせる事にした。
CBRの男はI県から遠征してO峠に来たらしく
到着するのに時間がかかるらしい。

それでも昼過ぎには会う事が出来た。
CBRの男はNといい俺達よりも年上で20歳になるらしい
それからNさんに丁重に礼を言われ、しばらく話すと
俺達に頼みがあると言う。何ですか?そう尋ねると
事故の当事者と会う約束をしたのだが、O峠以外は
この辺は土地勘がないので、案内してほしいと言う
この辺は俺はまるっきり知らないが、Bは詳しかった。

3人はBの案内でH市に向かった。向かう途中の
O峠でNさんは事故現場に立ち寄り、お酒を
供えていった。


325 名前:経験者 投稿日:2001/08/08(水) 15:11
30分ほど走りワンボックスの、男の人が住む町の
近くまできた3人はバイクを止め、歩いて向かう事にした。
その人の家に付き男の人に会えた。

男の人はEさんと言う人だった。ひとしきり挨拶をすませ
Nさんは、事故の瞬間について聞き始めた。
「あの時Kは何もせずに突っ込んでいったんでしょうか?」
そう聞かれたEさんは複雑な顔でうなずいた。

NさんによるとKさんは、事故を起こす手前の左コーナーで
考えられないスピードで、Nさんを抜きそのまま一直線に
ワンボックスに向かって行ったのだそうだ。
そして「でもね、抜かれた瞬間Kを見たらKの後ろに
誰かが見えたんだ、だからそれがすごく気になって」
そう言い終わった時、突然Eさんが「やっぱり」と
つぶやいた。

そしてEさんは「ぶつかる瞬間俺も見たんだ、K君の
後ろにいた奴を」俺達は驚いた。
「そんなこと警察には言えんしさ」そして続けた
「後ろにいた奴は、2年前に事故で死んだ友達だった」

3人共なにも言えなかった。
それから俺達は別れた、俺とBは自宅に向け、そして
NさんはI県に向けて。
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