赤いクレヨン2
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827 名前:亜矢子 投稿日:2001/06/28(木) 10:50
友人から聞いた話です。
 埼玉県の春日部市のどこかに鍵の掛かってない空家があった
そうです。空家はそんなに古いとかボロボロだったとかでは
ないそうですが不気味で凄く怖くて、友達は入ろうとしても
ドアをちょっと開けただけで泣いてしまったそうです。
 ある日、その子の友達(男の子)が二人で家の中に入ること
になりました。罰ゲームで、幽霊屋敷から宝物を取って来い
という内容だったそうです。昼間だったし、凄く怖かったけ
ど、懐中電灯を持って入りました。普通、浮浪者とか住んで
そうですけど中はキレイで荒らされた様子もなかったそうです。
ですが、納戸のような部屋に入ったらいきなり、小さい赤ちゃん
用の箪笥が倒れてきたそうです。そして、箪笥があった壁に
小さな扉があったそうです。扉を開けて向う側を覗いた瞬間、
悲鳴をあげて泣きながら家を飛び出してしまったそうです。

 私の友人はその子にその時見たことを教えてもらいました。
その子は子供の時に見たことですが今でも忘れられないと
話しました。
 箪笥の向うは3畳くらいの窓のない小さな部屋だったそうです。
一瞬しか見てないので家具はもっとあったかもしれませんが、
小さなプラスチックのちゃぶ台、キティちゃんのような模様の
ついた茶碗と箸が乗ってたそうです。
 部屋に入ってまず目に入ったのはそれでした。そして、次に
目に入ったのは、白い壁一面に、赤いクレヨンみたいなので
小さい子の字で「たすけて」と書いてあった、だそうです。


828 名前:亜矢子 投稿日:2001/06/28(木) 10:51
 あの部屋には小さい女の子が住んでいた…閉じ込められて
いた。寂しくてツラくて声を出しても聞いてくれなくて、
親に手紙を書いたんだねというのがその子の意見でした。

 でも、小さい子が天井近くにも書くのだろうか、家具を
使って高い位置に登ったと考えられるけれども、そんなに
せっぱつまった子がそこまでするだろうか、普通、いえ、
普通という言葉は相応しくないけれども、自分の手の届く
位置でぐちゃぐちゃに重ねて書くのではないかと私は思い
ました。
 あの字は誰がどんな思いを込めて書いたのだろう、
他人の話なので私は冷静に考えられますが、見てしまった子は…
悲しいお話の悲しい産物として、そう解釈するしかやりきれない
恐怖なのだと思います。
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