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寝台車
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878 名前:瓢箪山 投稿日:03/07/16 01:17
自分の体験談じゃないけど、予備校で漢文の先生から聞いた怖い話。

彼(先生)は京大時代に親友のAさんと一緒に東京見物を終えた後、
寝台急行「銀河」で東京から帰途につく事になりました。

――小田原を過ぎ熱海を過ぎ、夜も深くなってきました。
寝室に寝そべっていてもなかなか眠れない二人は、退屈になったので
寝台車という物珍しさもあって、車内を見て回ろうという事になったのです。
そして最後尾の車掌室に車掌がいないことが分かると、若気の至りというのか
彼らは車掌室のカギを壊し、中に入って窓を開け、酒盛りを始めてしまいました。
やがて「銀河」は静岡を過ぎ、「日本平トンネル」という長〜いトンネルに
入って行きました。


879 名前:瓢箪山 投稿日:03/07/16 01:17
ところが「銀河」がトンネルの中程を行く頃、
突然彼らの耳に男の大きな重たい笑い声が入ってきたのです。
「ウワァーッハッハッハッハッハッ!ウワァーッハッハッハッハッハッ!
ウワァーッハッハッハッハッハッ!ウワァーッハッハッハッハッハッ!」

彼はこの笑い声を聞いた時、空耳だと思いました。
が、Aさんに「さっき男の大きな笑い声が聞こえなかったか?」と尋ねると、
Aさんも確かに聞こえたと言います。
深夜の鉄道トンネルに人などいるわけがありません。
二人は背筋が寒くなり、顔も蒼ざめ、酔いもすっかり覚めてしまいました。
二人はしばらく動揺していましたが、結局「空耳だった」という事で
忘れることにし、寝室に戻って寝ました。

早朝、「銀河」が京都に着くと、彼は、大阪に下宿のあるAさんを残して降り、
自分の下宿に帰りました。


880 名前:瓢箪山 投稿日:03/07/16 01:19
ところが翌日、彼は40度の高熱にうなされて寝込んでしまいました。
そしてだんだん、自分のベッドの周りに
霊のようなものがうようよと渦巻いている事に気付いたのです。
「これはまずい」と直感した彼は、幸い除霊の方法を知っていたので
頭から塩をかぶるなどして、除霊を行いました。
お蔭で彼は霊の呪縛から解かれ、熱も治まったので、
晴れて普通の生活に戻ることが出来たのです。


881 名前:瓢箪山 投稿日:03/07/16 01:20
数日後彼は、一緒に帰ったAさんの事が気になったので、
Aさんの下宿に電話をかけました。けれども電話は繋がりませんでした。
Aさんの実家にもかけました。しかし実家にも帰っていませんでした。
ほかの友人にもAさんの事を尋ねましたが、誰もAさんと会っていません。
おかしいと感じた彼は国鉄(現JR)に、
大阪駅で降りるはずだったAさんの事について問い合わせました。
しかし国鉄側が調べたところ、
「Aさんは大阪駅で『銀河』から降りていない」ことが分かりました。
「銀河」は京都駅から終点の大阪駅まで停まりません。
つまりAさんは彼と別れた後、大阪駅に着くまでに姿を消したことになります。

Aさんは未だに消息がつかめていません。(終)
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