写真の話
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875 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/02/17 20:55
写真てあるじゃん
今回はそれの話

現代はカメラだって色々な種類があるよな
デジカメ主流だけど携帯だってあるし
それにまだポラロイドだって使われてる
でさ、心霊写真ってやっぱりいまだにあるわけよ
どれだけカメラの技術が発達しても、さ
だがな
窓に霊がうつっているとか
白い手がうつっているってのは
かわいいもんだ

これはもうすでに亡くなった祖父から聞いた話
写真の話




876 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/02/17 20:56
彼らの代にはまだカメラなんて定着してなかった
いまだにいうだろ?
大正生まれは写真嫌いだって
なんで嫌いかって
別に恐ろしい形相をした鬼やら
きちがいじみた目をした霊なんて
一切うつってなかったのさ
写真の中には
ちょっと無表情にこわばった自分の顔がうつってたって
祖父ははじめてとった写真のことを
よく覚えていた
感動したんだってよ

祖父のまわりの人々は
大半が感動したという者と
きもちわるいと言い出す者との二通りに別れたそうだ
気味悪がったのは大抵が保守的というか
アナクロってのも変だけどよ
亭主が多かったそうだ



877 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/02/17 20:56
そんな中で
カメラにひどく傾倒したやつがいた
そいつは30過ぎの一人身の男でな
変わったものが好きなやつだったそうだ
当時カメラがどれだけ高価だったかはしらないが
そいつはなんとかして一台手に入れたそうだ
それからそいつは写真をとりまくったらしい
毎日毎日

やがて
みるみるその男はやつれていった
家の窓は閉め切られて
中の様子はわからない
が、日に一度は外でみかけていたらしい
やつれ具合は恐ろしかったが
別に死んでいるわけでも
狂っているふうでもなかった

だが近所の男たちにとっては
恐ろしかったんだな
あいつはカメラに魂をすいとられてるって
写真なんかとるもんじゃない
っていう噂が広まり始めた


878 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/02/17 20:58
ある日
祖父はその男と街中で出会った
目にはくまができ
頬はこけていたが
不思議と生気に溢れていた
なんとなく興味があった祖父は
食事に招いたそうだ
男はまったく普通の素振りで
笑ってokした


酒を随分くらったあとで
祖父はつい噂のことを話してしまった
が、そいつは笑いとばしていた
気を悪くしたわけでもなさそうだったので
祖父はおもいきってきいてみた
毎日毎日
なんの写真をとっているのか?と

そうするとそいつは
急にぶるぶると震え始めた
頬の肉がぶるぶると
それから
レンズが覗いてる
とだけ呟いたそうだ



879 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/02/17 20:59
そのころからだろうか
男を外でみかけなくなった
近所のやつらは薄々きづいてたろうよ
だが薄情なもんだ
2週間ほどしてようやく
男の家から死体が発見された

だが恐ろしかったのは
そいつの死体でもなんでもない
ぼろい木の机の上に
そいつが大事にしていたカメラがおかれていたそうだ
そして床一面に
ありとあらゆる写真が
しきつめられるようにして散乱していた
別に霊なんて写ってない
狂った男が写っていたわけでもない
普通の顔をした写真を
狂ってとってたんだとよ


880 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/02/17 21:00
それから祖父はしばらくカメラが怖かったそうだ
だがこの話をきかせてくれたときには
もう平気だっていってた
ここまで話してから
そうそう
と前置きをして祖父は思い出したように
俺にいったよ

魂が抜ける写真てのには条件があるらしい
この話をよく考えればわかるんだってよ
俺はわかったよ

お前等も写真とるとき
よくレンズの中を覗いてみろよ
目玉がみえるもしれないぜ
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