トンネル
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775 名前:764 投稿日:03/02/17 04:09
場所は詳しくきいていないけど確か私の地元のお話
県名は内緒ですが(すみません)私は先輩の話をきくまで
その場所をきいたことなかったので有名でないところなのかな
実話らしいです

当時先輩は音大に通う1年生でした
大学のサークルで例年肝試しをしていたそうです
1年生と2,3年生1人ずつの
2人1組でトンネルの中を歩いて抜けるというものでした
トンネルの長さは長くもなく短くもなくといったかんじです
ただしそこのトンネルはもう使われていないので
内部には一切照明がありません
これがこの肝試しの特徴だったそうです
懐中電灯はもたずに歩くのです

先輩は恐怖というよりも興味でいっぱいだったそうです
人数もけっこういたのでみな落ち着いていましたが
やがて一組、また一組とトンネルの中へ消えていくごとに
少しずつ緊張感が高まっていきます
やがて先輩たちの番がきました
先輩が右手にたってゆっくりと入っていったそうです



776 名前:764 投稿日:03/02/17 04:10
入り口ではぜんぜん平気だったけれど
トンネルの中は本当に真っ暗で
けれど怖いというよりはむしろ
気をつけて歩かなければいけないと思っていたそうです
足元も見えません
と、その時
隣にいた相方が声をあげました
反射的にその人がいると思うほうを向くと
やはりなにもみえません
が相方は笑いながら
壁にぶつかったのだと言いました
人間はまっすぐ歩いているようでも
視覚が麻痺すると利き足の逆にずれていくのだと
その相方はぼそぼそといっていたそうです

それから二人はできるだけ真っ直ぐ歩くように気をつけました
正面からオレンジのパーカーを着たおじさんが
二人の若干横を通り過ぎていき
やがてトンネルの出口が
薄い暗闇であらわれたそうです


777 名前:764 投稿日:03/02/17 04:10
出口には先に通過した人たちが待機していました
みんな何事もなかったようですが
後続の結果にいくらか期待していたようで
どうだったかときいてきました
別になにもなかったよ
とトンネルを振り向きながら答えた先輩と相方は凍りつきました

先輩たちが歩いてきたトンネルは真っ暗だったのです
オレンジのパーカーも顔だって見えるはずがなかったのです
けれど二人ともまったく同じものを見てしまいました
パーカーのおじさんは通りすがる時
相方の左手
つまり壁があるはずのところを歩いていったのです
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