戦闘服の男
i-mobile
639 名前:陸自(現職) 投稿日:03/02/16 15:36
では、お言葉に甘えまして。

レンジャー訓練の時の話

約二ヶ月の訓練期間初めの頃、消灯後に同僚と話をしていました。
「明日の訓練もきついなぁ・・・」
「たまらんなあ・・・」
こんな話を、とりとめも鳴くしていましたが、隣室の教官達に聞こえてはマズイと
思い、そろそろ寝よう、と床についたのでした。
その直後、部屋の外で「ゴトン」という大きな音が響きました。それは、用水路に
はめ込んである大きな石の蓋を踏んだ時の音でした。
(これはマズイ。教官に気付かれたか・・・)と、様子をうかがっていると、ブーツの
足音が・・・ 入り口のほうに向かっているようでした。
入口には自動販売機が置かれており消灯後とはいえ、相当明るかったのですぐに
教官の姿が見えるだろうと注意深く観察していたのですが、なぜか姿が見えません。
(おかしいなぁ、ガラス張りだから見えるはずなのに・・)

つづく


640 名前:陸自(現職) 投稿日:03/02/16 15:37
ふと気付くと、いつのまにか扉の内側に誰か立っています。しかし、下半身だけ。
戦闘服のズボンと半長靴(ブーツ)だけが入口に立っているのです。
私はその姿に見覚えがありました。三年前に首吊り自殺をした先輩の姿にそっくり。
私物の化繊の戦闘服、修理もせずに磨り減った半長靴・・・まさに、あの先輩に間違いない。
恐怖で縮みあがっている私の方へ、その足だけの先輩は歩いてきました。
 ゴトン、ゴトン・・・ 
8台並んであるベットの横を、なんとも不気味な足音を響かせて、それ、は近付いてきました。
私のすぐ傍まで来た時、ふいにそれは消えました。何事も無かったかのように。
しかし、恐怖はまだ終わってなかったのです。
途端に、すぐ傍で寝ていた学生長が、大きな呻き声をあげはじめたのです。

つづく


641 名前:陸自(現職) 投稿日:03/02/16 15:37
「うううぅーーーーっ、うー、うー、おおぉーーーーっ、ふーっ、ふーっ」
今にも死にそうなうなされ方です。ただ事ではない苦しみ方です。
(ああ・・とりつかれたんだ・・・)
そう確信した私は、すぐに彼を起こしてあげました。
汗びっしょりで目覚めた彼は、開口一番にこう言いました。
「助けてぇ!い、いま、戦闘服の男に足を引っ張られて、どこかに連れてかれようとしたぁー」
私は「安心して、もう大丈夫だから」となだめてあげました。
彼は「なんで分かった?」って、聞いてきたので「うん、一部始終見てたもん」と答えました。
大きく目を見開いて私を見るその目は、まるで、幽霊そのものを見るような目つきでした。

長文、乱文ゴメンなさい。

i-mobile

他の怖い話 怖い話Top
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -