※微妙に裏かもしれない



「…おんな?」


無意識に声に出していたらしい。目の前の千鶴は月の光に晒された白い肌を必死に隠していた。
女なら納得がいく。細い手足、成長期にも関わらず伸び悩む身長。ああ、そうだったのか、女だったんだ。
震える声で、すみません、と謝る千鶴。ただでさえ暗いのに俯いてしまっていて表情はよく見えない。
一歩近づいてみればびくりと震える小さな体。また一歩、また一歩と歩み寄ればガタガタと両腕で自分を抱いていた。縮こまり怯える女の子を追い詰めている自分に、なぜか優越感を覚えた。


「本当に、女の子?」

「………っ」


白い肌、艶やかな黒い髪、気休め程度の肉がついた体つき、濡れた眼。その全てを見てしまいたかった。
同時に、誰の目にも届かない所に隠したくなった。
僕にだけ見られていればいいんだ。全部、全部、僕にだけ触れさせればいい。


「……おきた、さん?」


酷い、表情をしていたのだろう。こんな状況にも関わらず僕に手を伸ばす千鶴。心配?同情?何のつもり?……面白くない。
伸びてきた手を掴み組み敷いた。指が余るくらい細い手首に力を込めると短い悲鳴が小さくあがった。離すとうっすらと残る赤い痕。嬉しいな、これ、僕がつけたんだよね?
舐めてみると、千鶴は身をよじった。


「本当に女なのか、確認」

「え……っ」


これ、邪魔だなぁ。頭の端でそう考えながら剥ぎ取るように寝間着を脱がせた。サラシをしていない胸は、女のそれで。


「へえ、ちゃんとあるんだ」


大きさはアレだけど、柔らかい感触に感動していた。いつもは白い肌が赤く染まっていくのが目に見えてわかった。
僕の指の動きひとつひとつに敏感に反応するものだから、沸々と欲が溢れてくる。
誰にも見せたくない。この声も、体も、眼も、心も、全部自分だけのものにしたい。
我慢強い方じゃないんだ。でも独占欲は人一倍…いや、二倍以上。
熱い息が夜の冷たさを忘れさせてくれる。


「ねぇ、"千鶴ちゃん"…」


これから、どうしようか?そうだなぁ、じゃあまずは君を僕だけの、僕のことしか考えられなくしてあげようかな。
噛み付いた首筋からは血が、指には熱い液体が流れ僕らを濡らした。






2010/0704

えろってむずかしい




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