(チハヤ→ヒカリ/わくわくアニマルマーチ)
全部わかってるよ、って首を傾げて顔を斜めにした君が、何にもわからなくて俯く僕を、じいっと見透かす。垂れ目の瞳がゆっくりと瞬きをする度に、僕は夜の砂漠に立っている気分がする。
違う。本当は、君が何にも知らないくせに、僕のことをわかったように見つめてくるものだから、僕は、何もかもわからなくなってしまったんだ。漂う思慕に気づいている君と気づいていない君が、代わる代わるに僕の目に映るから。
「チハヤさん、悩みごとでもあるんですか?」
また君が、全部わかっている風に、首を傾げる。