(チハヒカ←ユウキ/わくわくアニマルマーチ)


雄の兎っていうのは、雌と同じ可愛い見た目をしてやがるくせに年中発情期って奴らしい。くりくりの丸い瞳を、してやがるくせに。

「なぁ、あの兎のコスプレ衣装って何に使ったんだ?」
「まだ使ってないよ。ねぇ、チハヤくん?」
「まぁ、そうなんじゃない」
ふわふわ丸まるピンクアッシュの髪は、兎の丸い尻尾を思わせる。くるくる跳ねるピンクブロンドの髪は、兎の胸毛を思わせる。
「へーへー、お熱いこって。これから使う予定ってことっすかーそうっすか」
「ユウキくん、あれ使いたいの?貸してあげるよ」
「いらねーっての!俺は、あの服をお前が着たら似合うだろーなと……」
瞬時に、フォークの先っちょを眼前に突きつけられた。不機嫌な雄の兎が、くりくりの丸い瞳をいっちょまえに濁らせている。
「ユウキ。それ以上ふざけると、刺すよ。ヒカリ、こいつは君を狙ってるんだから、もっと気をつけて」
「大丈夫だよ、チハヤくん。食べられちゃうわけじゃないし」
「そうだそうだ、チハヤー、嫉妬は見苦しいぞー、やーいやーい」
不機嫌なチハヤと困るヒカリが、お互いの腰に手をまわしているところを見ると、ああやっぱり兎は兎同士で食べ合うのだと俺は呆れて悔しがった。





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