(チハヤ×アカリ/やすらぎの樹)
もしも夢が叶うならね、ふわふわなオムレツの上を、トランポリンみたいに飛び跳ねたいんだ!
ふぅん、そっか。君が踏んだオムレツは、一体誰が食べるんだろうね。オムレツだって、踏まれたくて作られたんじゃないだろうに。
もちろん、わたしが食べる! 綺麗に洗った裸足で飛ぶからね、ちっとも汚くなんてないんだよ。それに、飛んでる時に破れたオムレツの床は、拾って食べちゃうの。トロトロの裏側が穴から流れだしても、それは全部わたしが舐めちゃう。
どこかの怪物みたいな恐ろしいことは、言わないでよ。君には無理さ。ふわふわオムレツをトランポリンみたいに飛び跳ねたいだなんて言う、君にはね。本当にオムレツを食べたい人間は、先ずそんなこと言い出さないに決まってる。
うぐぐ、確かに、そうかもしれない。わたしが、オムレツで遊びたいだけかもしれない。やっぱり、オムレツで遊びたいと思うのっていけないことかな?
いいや、ちょっと不遜なだけさ。君がそうやって料理さえも遊びの道具にしたいのなら、好きにするといい。今の僕なら、その足元のオムレツだって食べられるしね。
ほんと? ふたりで食べれば、トランポリンが出来るぐらいの大きなオムレツだって、ぺろりと食べられちゃうよ!
僕はそんなには、食べないよ。