(ジュリ×コトミ/わくわくアニマルマーチ)


菫は青い、薔薇は赤い、砂糖は甘い、そしてあなたは素敵。薄闇を溶かしこんだような、艶やかな紫色の長い髪。真紅の薔薇の花弁のような、真っ赤なくちびる。凝縮された甘い甘い香りが、残り香となって私を困惑させる。
昔から長かったこの三つ編みを掴んで何かしら喧しく喋りながら、コトミったらブスなんだから、と言ったのは本当にジュリちゃんなんだろうか。あの頃からジュリちゃんは花のように可憐で可愛くて、私はずっと憧れていた。憧れていた人からの言葉はどんなに一瞬でも一生忘れられないもので、私は長い髪を切ってしまおうかとも考えた。でも、結局切れなかったのは、いつかジュリちゃんに綺麗な髪の毛ねって言ってもらえるんじゃないかって、ずっと待っていたのね、私は。
最近再会したばかりの時に、幼馴染のジュリちゃんと言おうとして声が震えて上手く出なかったら、オカマじゃないわよ! といきなり怒り出したジュリちゃんを思い出したら、ふしぎと元気が出てきた。ジュリちゃんも、私の一言にあんなに左右されているんだ。迷子なのは、私だけじゃなかった。
菫の青と紫が溶けて混ざって、ある一つの色になる。いつかこの気持ちを、伝えられる日が来ますように。




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