(ジュリ×ヒカリ/わくわくアニマルマーチ)


顔というキャンバスを白く染めるために白粉をたっぷり塗って、目を切れ長に美しく見せるためにアイシャドウやマスカラで縁取って、アナタへの愛を囁くために真っ赤な口紅を塗って。
「今日も、ジュリさんは美しいですね」
何気無い笑みでさらりと言う彼女の顔は、汗と泥で汚れ、乾燥した更地。それなのに、言葉のせいかしら、それとも雰囲気のせいかしら。美しいのは、そんな顔をした彼女の方だと思うのは。
「アリガト。ね、ヒカリも化粧してみなイ?」
鑑定した鉱石を鞄に詰めながら、「うーん、私は、いいですよ〜」とのろのろと断られる。
「何で!忙しいなら、暇な時だけでいいから。勿体無いわヨ」
アナタは、こんなに魅力的なのに。
「何ででしょうね〜」
私は、ジュリさんの美しい顔が見られれば、それでいいんですよ、とか狡いことを言うから。アタシは、もっと化粧をやめられなくなってしまう。
「…でも、嬉しいですよ。ジュリさんが誘ってくれること」
素朴な表情で照れる仕草に、心が色づき始める。この気持ち、アナタも同じだと良いけれど。
「ヒカリ、少しだけ……受け取ってネ」
ざらざらとした頬に、賛美のキスを。彼女は鏡を見なくても、自分の頬に付着した燃えるような紅色を理解しているらしく、これは困りましたねえ、と本当に困っているかどうかわからない声を出して、照れて見せる。
仄かに紅潮する顔は、薄化粧のように、透明に鮮やかに。





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