(アレン×リオ/はじまりの大地)


彼の寝顔は子供のように安らかで、どこにも力が入っていなかった。私の手を握る長い指は、かさかさになってひび割れている。
「…ん、リオ、もう起きたのか」
いつも彼は私より早く起きて、気づいた時には完璧な朝の食事と完璧に整った彼が、私を出迎えてくれる。布団から起き上がったお寝坊さんの彼は、黒ぶちの眼鏡を装着する。その瞬間、紺碧の瞳に鋭い眼光が宿るものだから、私は間抜けに口を開けて見守ってしまう。
まず、洗面所に行ったかと思えば早着替えのようにピシッとしたスーツに着替え、跳ねたアシンメトリーの髪を雑誌の特集に載るような完璧なスタイルに仕上げ、磨かれた銀のアクセサリーを見につける。そのレンズには一点の曇りもなく、呆然としてベッドに座るパジャマ姿の私の手をそっと取る。その指は、バラの香りのハンドクリームで包まれていた。
「おはよう、姫君」
少し遅れたが、今日の朝食はこの俺様に任せてくれ、という彼の、アレンの声。

そして、最後に小さなキスで、彼は最も完璧になったのでした。






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