(チハヤ→アカリ/やすらぎの樹)
女の子はみんな甘い物が好き。
だから、君も好きになるはずなんだ。
「ねぇ、どうしてあんまりケーキ、食べないの?」
「え。一個食べたじゃん」
「たった一個だけじゃ、物足りないでしょ」
「充分足りるよ」
オレンジケーキ一個をぺろりと平らげて、
甘さの余韻にも浸らないで君は言うんだ。
「ねぇ、どうして他の男と話すの?」
「会話って、男も女も関係無いよ。当たり前だと思うけど」
「それは僕も知ってる」
違う。そうじゃないんだ。
そんなこと、どうだっていいのに。
「ねぇ、君が好きなものって何?」
「自然かな」
僕は、そんな君が好きだよ。
そのたった一言が、どうしても言えない。