「なあ、俺今日誕生日なんだけど」
「あんただけじゃないでしょ、デントとコーンだってそうじゃん」




お前、冷たい!それでもカノジョか!なんて涙目で言われた。たしかにちょっと冷たく扱いすぎたかも知れない…炎タイプ専門の、炎タイプのような彼に冷たい行動はどうやらこうかばつぐんだったようだ。




「ごめんごめん、ちゃんと覚えてたよ」
「忘れたら一生許さない」
「忘れないよ、ポッドの誕生日だもん」
「デントとコーンの誕生日でも?」
「根に持つね…」




今日はせっかくの誕生日ということで、三つ子はジムもお店も休みにした。いつものようにワックスで整えられていない、ポッドの柔らかい髪を撫でると、まるで犬のように気持ちよさそうな顔をした。いつまでたっても変わらないなあ。




「プレゼントは?」
「たかるもんじゃないよそれ」




頬を膨らませたポッドの目の前に、私はキレイにラッピングされた小さい箱をちょんと置いた。ポッドの目がとつぜんキラキラして私と箱を交互に見る。まるで、エサを目の前に「食べて良い?食べていい?」とうったえる犬のように、「開けてもいいの?」と言っているようだ。




「お気に召すかはわからないけれども」
「ありがとう!!一生大事にする!!!」




開ける前に言われても!と心の中で叫んでいる中、ポッドはラッピングを無造作に剥ぎ取り箱を開けた。そしてまたいっそう目を輝かせた後、私の方をじっと見てにっこり。顔でせいいっぱいの有難うをしているようだ。私の腕を掴んで寄せると、頬にキスされた。




くだらなくて、
小さくて、大切な


(何をプレゼントしたかって?さて、何でしょうね!)




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3月25日、みつごの日おめでとう。