HAYATO(≠トキヤ/HAYATO様が全くにゃーにゃーHAYATO様じゃないです可愛くないと思います普通の人です…多分)




「ただいま〜」
「あ、おかえりハヤト」


今日はハヤトが収録で遅くなると言っていたので、1人で夕食を食べていたところだった。
こんなことならハヤトを待ってたほうがよかったかなあ。


「ごめんねハヤト、今ご飯食べてたんだ……ハヤトも食べる?」
「うーん、いやいいかな…車で軽くパンかじってきたし…疲れちゃった」


はぁ、とため息をついて、ソファにぼすん!と座ったハヤト。
私は急いで夕飯を食べ終え、食器洗い機に食器を放り込んで、彼の隣に座った。


「お疲れ様。お風呂沸いてるよ?」
「あー…」
「あ、HAYATOだ」


テレビがバラエティ番組の途中でCMに変わり、HAYATOが果物のジュースを持って現れた。とてもポップで元気なCMである。


『トロピカルだにゃ〜』

「あれ美味しそう」
「意外と普通だったよ、まぁまずくはないかな」
「…ハヤトってさぁ」
「なに?」
「HAYATOのときキャラ作ってるよね…」


私がそういうと、彼は一瞬固まった後に姿勢を正しはじめた。


「あ、あのねえ…」
「だって『にゃ〜』とか言わないし…あんなに猫っぽくないし…」
「そ、それはだから…!」
「声もワントーン…」
「テレビ用だからっ!」


私の言葉を遮って、ハヤトが少し大きな声で言った。
ちょっと口元が尖ってる。それはHAYATOのときも見る顔だ。


「仕方ないでしょ…事務所の方針なんだから」
「まあ最初の…デビューがあれだったもんねぇ」
「僕だってやりたくてやってるわけじゃないんですー!」


はぁ、とまたため息をついて、だらりとソファに雪崩れる。
頭を撫でてあげれば、目をつむって気持ち良さそうにしていた。


「そういえば、今日スタジオ見学に行ったらトキヤくんにばったり会ったの」
「トキヤ?」
「ドラマの収録だったみたいで」
「ふぅん…あいつもがんばってるなぁ、この前のシングル、オリコン2位だったみたいだけど、本人は悔しがってたよ。1位を狙っていたのに…!ってね」
「ふふ、トキヤくんらしい」


ハヤトの、トキヤくんの真似は予想以上に似ていた。眉間にシワを寄らせれば、二卵性とはいえ双子だなぁと感じられるほどに似ている。


「… トキヤに惚れちゃだめだよ」
「それはないよ」
「どうかな…僕たち双子だし」
「大丈夫だって…」
「名前」


ぐい、と顎を持ち上げられたかと思えば、口づけが降ってくる。触れるだけのものだったけれど、ハヤトの気持ちがよく伝わってきた。優しくて、ふわふわしてて、あったかいキス。


「… もぅ、ハヤトってトキヤくんの話するたびにそれなんだから」
「だって…楽しそうに話すから、心配になっちゃうよ」
「心配性だなぁ…」


彼の両頬に手を添えて、私も触れるだけのキス。
おでこにも口づければ、少しハヤトが頬を赤らめていた。
私の気持ち、伝わったみたい。


「…、ご飯あるんだっけ?」
「え、うん。ハヤトの分も作ったよ」
「食べよっかな…お腹空いてきちゃった」
「じゃああっためるね。あっ、そういえば明日って、」
「オフだよ!一日中ごろごろしてたいな…付き合ってくれる?」
「もちろんですとも」


わあい、と大袈裟に喜ぶ彼を目の端に、私はキッチンへと向かった。
今日もお仕事頑張ったハヤトのために、デザートもつけちゃおっかな。


ほんとうの
あなたと







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こんなはやとさまを…かいてみたかった…
ヒロインのこと呼び捨てもいいですよね…





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