いつか、ボクときみにも別れがやってくるのだろう。
それは明日かもしれないし、50年後かもしれないし。
理由だって、事故にあって死ぬとか、病気になって堪えられなくなって別れるとか、寿命だとか、意見の相違とか。
何にせよ、ボクたちには必ず別れがくるのだ。まあそれはボクたちにだけ言えることではなく、全ての人に言えることだけど。

だから別れなんて、どんな理由でいつやってくるかなんてわからないのだ。
もしかしたら、明日名前ちゃんから「嫌いになったの」と言われるかもしれない。ああどうしよう、考えただけで泣きそうだ…。


「どうしてそんな顔してるの?」


ボクが静かで(人より賑やかなことは自覚してるよ)、しかも泣くのを堪えるような顔をしてしまったので、食器を洗い終えた名前ちゃんが心配そうにボクの顔を覗きこんだ。


「ぎゅってして」
「え?どしたのハヤ、」
「いや…?」
「… いやじゃないよ」


ソファに座る僕の頭を抱きしめるように、包み込んでくれた。名前ちゃんの腰に腕を回して、ぎゅっと抱きしめる。
この幸せがいつか終わってしまうなんて、そんなこと信じたくない。
なんで人は、一人で生まれて一人で死んでいくのだろうか。ボクは出来ることなら、きみと一緒に終わりたいよ。

暖かい、心臓の鼓動が聞こえる。ボクの命の源はきっと名前ちゃんだ。彼女がいないとボクは死んじゃう。死んだみたいになってしまう。君がいないなら生きているなんて意味がないんだ。


君を失う未来など



なんて、名前ちゃんに言ったら怒られてしまいそうだけれど。それでもボクは、きみと一緒にいたいんだよ。
それぐらい好きってこと。ちゃんと伝わってくれたらいいんだけどなあ。







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