(春歌・トキヤ共に成人設定)
 
途中微妙に艶っぽい感じ?なのでご注意を。



どうしてこうなったのだろう。トキヤは困惑する頭でこうなった経緯を思い出していた。


事の起こりは30分程前だった。トキヤは仕事を終え愛しい恋人の待つマンションに着き、ガチャリと鍵を開けた途端、何かに抱きつかれた。言わずもかな恋人の春歌だ。


「ただいま」

「トキヤく、おかーりなしゃい」


ふにゃりとした笑顔、だが頬はほんのりと赤く呂律も回っていない。

「春歌」

「?」

「飲みましたね?酒を」

「美味しかったれしゅよ?」

こてん、と首を傾げる様はとても愛らしいが春歌は酒に弱い。故に酒類は置いてなかったはずだ。いったい誰が春歌に酒を飲ませたのだろうか。 


「春歌、一体誰に酒を貰ったんです?」


「おしゃけは、コンビニで買いましゅた」


確かにこの近くにコンビニはある。何故彼女が酒に走るような行動をとったのだろう。好き好んで飲むようには思えない。


「トキヤくん」


呼ばれて振り向いたと同時に掛かる
彼女の体重。咄嗟に抱き締めて春歌に怪我のないようにする。代償は尻餅、見たところ春歌に怪我は無さそうだ。ほっ、と安堵の溜め息をついたのも束の間唇に何やら温かいモノが触れているではないか。それが春歌の唇だと頭が認識する頃には、執拗なキスに変化していた。


「ん、…っは!るか…っ」


「トキ……っく…ん」 


絡め取られる舌、触れる熱。涙が滲む瞳に上気した頬。もうやめてくれ、これ以上は危ない。
トキヤは本能的に春歌を自分から離す。彼女を前にすると理性など只でさえ揺らぐのに、今、春歌から触れられただけで崩れ落ちそうになった。


「トキヤく、…嫌れしたか?」

 
繋がる銀糸を拭う事もせず、涙目のまま訊ねてくる春歌の姿にトキヤは頭を抱えたくなった。酒のせいとはいえ、こんな無防備にされていては誘われているとしか思えない。解っている、彼女は普通の状態ではないと言うことは理解しているが、浅ましい本能が湧き出てくるのを感じる。


「トキヤくん、わっ…わらしのこと、しゅき…れしゅかっ?…わらしは…いちゅも、トキヤく、のこと、っ…かんがえて…」


「……春歌?」


「トキヤく、がっ、わらしにてを、だしてくりぇないのはっ……わらしにみりょくが、ないかあれしゅか?」


ぐずぐすと泣きながら検討違いの方向に言っている春歌を宥めようと手を伸ばすが、緩い力で跳ね返される。


「も、いいれしゅ。おしゃけをのんれ、こんにゃことしれも、トキヤく、は、なんともないんれしゅかりゃ、わらしにみりょくがっ……」


最後まで聞いていられなくて春歌の腕をひき、自分の胸の中に閉じ込めすかさずキス。今まで我慢して押さえていた自分が馬鹿みたいだ、と思考の隅で考えながらトキヤはキスを繰り返す。息をさせる暇を与えないように、角度を変え、舌を絡め、時折歯列をなぞりながら。


「っ…ふぅ、んっ…」


「は…るかっ…」



口を離してやると肩を大きく上下させ息をする春歌。そんな春歌の耳元で囁いてやる。


「誰が、魅力を感じないなんて言いました?今まで我慢していた分、思いきり愛してあげましょう」


一晩かけて、たっぷりと感じてくださいね?私の愛を。


その言葉に春歌は幸せそうに微笑んだ。




飲んで
呑まれて
溶けようか


(貴方の愛で溶かして下さい。)


120427

雛月玲様に捧げます。トキヤ暴走してすみませんでしたぁぁぁぁ!









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