Look at me




ねぇ…、呼んでよ…


オレの名前…


呼んでよ…








先生が誰を好きなのかなんて知ってる。
それでもいいって言ったのはオレだ…。
だけど、やっぱりオレだって愛されたい。誰よりも。
誰かの面影を重ねるのではなく、オレ自身を見て欲しい。


見てくれ…


オレのことを…


オレだけを…見て…








「……オレは…違う名前でも呼んでいたか?」
「へ?」



「…お前以外の名前…呼んでいたのか…?」

「…あ………」


「悪かったな……、オレはお前に抱かれているつもりだったんだが…。傷つけて…すまなかった…」


先生は辛そうに顔を逸らした。
そんな顔をさせたのはオレのせいだ。
そうだ…。先生はずっとオレの名前を呼んでくれてたのに…。
その全ててもってオレを受け止め、受け入れてくれてたのに…。
その腕で抱きしめてくれていたのはオレだったじゃないか。




「ごめん…ごめん、先生。先生はオレのこと受け止めてくれてたのに…それなのに…オレ…」



いつの間にか贅沢になってた。
先生はオレのこと見ててくれたのに、オレは気づかずに…。
見ようとしなかったのはオレの方だ。
オレは先生に好きな人がいるのを知ってて、それでも先生を無理やり抱いて…。
それが後ろめたかったのか、先生の心は変わらないと思い込んでいた。
先生はちゃんとオレのこと見ててくれたんだ。




「センセーはオレの名前、呼んでくれてたのに…。ホントごめんってばよ…」


するりと頬を撫でれば、先生は悲しそうな目で見つめ返してきた。



「ごめん……愛してるってばよ。オレ、センセーだけだから…」



愛してる…



愛してる、好きだってばよ…



そう囁けば、センセーはそっとオレの背に手を廻してくれた。













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