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拙いですがお礼文です。よろしければ読んでみてください。
涙
疲れ果て、事後の気だるさも手伝ってカカシは眠りへと落ちていった。
愛しさと少しばかりの反省を含め、ミナトはカカシの髪を梳く。
その指の動きに眠りを妨げられたのか、うっすらと目が開く。
紅玉と碧玉の瞳に己が映し出されるとふわりと笑顔が浮かび、そして再び瞳は閉じられた。
その笑顔に愛しさが溢れだし、その思いのままカカシを抱きしめた。
汗と精液のにおいに混じり、カカシの匂いがする。
いつも自分を落ち着かせてくれる匂い。
任務に出る前の高揚感。任務後の寂莫とした思い。
そして任務を言い渡すやるせなさ。
平静を装っていても心は千千に乱れている。
それを落ち着かせてくれる唯一の存在。
自分に自信を取り戻させ、力を与えてくれる。
自分に向けられる笑顔が何より自分を癒してくれる。
なぜ自分はこれ程までに彼に惹かれるのか。
何故、彼でなければならないのか。
それは解らない。
ただ一つ分かる事。
それは――
彼は…カカシは魂の片割れであるという事、
離れていては生きていけぬ程、自分にとって必要な存在であるといこと。
カカシの銀色の髪を梳きながらふと気づいた。
いつの間にか涙が流れ落ちていたのだ。
愛しくて、あまりにもカカシが愛しくて――
知らず知らず涙が流れていたのだ。
こんな事は生まれて初めてだ。
こんなにも愛しいと想うのも…
ミナトはカカシを抱き締めなおす。愛しいという想いそのままに。
「おやすみ、カカシ……」
小さく小さく囁いて、カカシと同じ眠りへとついた。