緒方 竹晴
◆
Image◆
◆陣営 : Evil
◆名前 : 緒方 竹晴 (おがた たけはる)
◆性別 : 男
◆年齢 : 17
◆身長 : 179cm
◆体重 : 67kg
◆血液型 : A
◆ステータス
【HP/3(+15)、攻撃/1(+20)、魔適/6(+10)、耐久/3(+21)、魔耐/4(+13)、敏捷/8】
◆装着スキル / SP : 300(+380)
◆
個人ページ
一人称:俺
二人称:きみ、名前呼び捨て、年上には〜さん
◆容姿
青色の髪に爛々とした赤の瞳。色白でやや女顔。
◆性格:涙もろく騙されやすい性格で、
非情に物腰が低く、集団ではあまり目立つことがない。
しかし、金と自分にとって大切な人間にとっては貪欲で一途であり、
その為なら関係のない他人を壊してもいい、という極端な一面を持っている。
恋愛ごとがとても不得意であり、鈍感過ぎて相手の好意に気づかなかったり、
質問に不甲斐ない返答をしたり、目も当てられないほどである。
目が合った相手に精神的錯乱を起こさせるメドゥーサのような赤い瞳を持ち、
彼の体が危機に陥ると自動的に力を発動させる。
記憶を無くした事に関しては自分には何かやらなければならないことがあったが、
それが何なのか分からず混乱している。
また異世界にいることに関しても不安がっており、性格がやや臆病になっている。
瞳の力に関しても能力自体は無くしてはいないが
どのような能力だったのかを本人は忘れており、
発動する際もよく分からないままでいる(気づいたら敵が倒れてる等)
◆返還記憶-----
優しい手つきで、頭を撫でられていた。
ふと顔を上げると、暖かな笑みを浮かべた女の人。
だけど、女の人の顔はひどくやつれていて。
よく見ると、体には沢山の青あざや、切り傷があった。
女性が誰だか分からないけれど、何故だかとても、やりきれない気持ちになった。
こんなことをする奴がいるなら、きっとそいつは自分にとって敵なんだ。
自分の大切なものを傷つける、暖かい居場所を、安心を、幸せを、奪う。
…そんな奴なら、死んだって構わないだろう、と冷えていく心で思った。
自分は意識を失っていた。
今までのは夢だったのかな。
早く帰らないと。明日は早起きして弟の弁当を作る日だ。
踏み出した先で足に柔らかい感触。一面は赤。赤。
あれ?
タイルの壁に叩きつけられた肉片と、脂、体液、これは、なんだろう。
水は絶え間なく赤い色を流している。
ふと顔をあげた。鏡に映った自分の目は_______
恐ろしくて恐ろしくて、とにかく走った。全力で逃げた。
ああ、夢なんかじゃない。結局戻ってきてしまった。ここに。この屋敷に
「それは君だけに与えられた君だけの”魔法”ですよ。」
自分と同じ色をした目が、さも愉快そうに、細く、細く_____
夕暮れの帰り道を歩いていた。
俺の腕の中にはすやすやと眠る幼い妹。
母さんは夏なのに長袖のシャツだった。
そうだ今日は学校でけんかをして…
「竹晴、いい?」
「大切にしないとだめだからね。人も、自分も。」
もうすぐ、家に着く。
「あなたはやさしい子だから。どうか____」
玄関ドアにガラスが叩きつけられる音。
鬼のような、怒りを露にした表情の男が目の前に立っている。
母さん、何て言おうとしたんだろう。
通っている学校から、バスに乗って、十三番目
そこからまた、電車で二駅
人気のない駅から
雑草だらけの砂利道を歩いて、歩いて、歩いて
地図には載らない森の中
自殺の名所だとか、戦争の跡地だとか、物好きが色んな噂を立てていたっけ。
ざ、ざ、と草を踏み倒して進む。時々、後ろを振り返る。
時刻は18時。
"其処"は日の落ちた頃に現れる。
自分はそこに日課のように通っていたことを思い出した。
俺は家族を愛している。
いとしい、いとしくて、何人たりともこの輪を壊させたくない。
三人とも、大好きだ
特に一緒に暮らすこの二人は
俺が守らねば
守らねば
大好きだから
だいすきだから
そうだ何も知らないままで
いいんだ、それでいいんだ
それで
いい、はずなのに。
時 々思う、これ、は 何だ。
…畜生。
窓辺を見つめる少女がいた。どこへも行かず、彼女はいつもそこで佇んでいる。
どこかのキッチン。ある日自分は彼女の手を引いて、
余った食材でまかないのオムライスを作ってやると
おいしい、と涙目ではにかんだ。
「おしごと。しってるよ。あなたとわたしはおしごと仲間。」
「でも、それとはべつ…べつで……ええと」
「わたしと、お友だちになってほしい。あなたとまた、お話がしたい。」
ひとつ頷くと、少女はまた涙をいっぱいに溜めて笑う。
ありがとう、おいしかった
いつか、今度はわたしがあなたをたすけるからね。
少女と、そんな話をしたことを思い出す。
自分は隣町の工業高校に通っている学生で
昔からあまり友達は多い方ではなかったが
数人ほどの友人と、なんとなく一緒に過ごしていた時間は
心地よいものだったことを思い出した。
「牛乳が飲めないからってなんだ!オレンジティーこそ至高なんだよ…、!」
このうるさい声の主は…誰だったっけ
出会ってから一回目の記憶は、なす術もなく喰われたこと。
そして再び出会った時は、使い魔の猫と料理を作って…彼女に振舞った
あの人と過ごした時間はまるで喧騒のように、
ざわざわと、波立つような時間だったな。
美食家であり、喧騒の魔女。
……笑った顔は、魔女というには柔らかく、女性らしいものだったな。
穴を掘っていた。
郊外に近い川の近く。
あの屋敷の住人でも、滅多に立ち入らない場所。
足元には新聞紙と、黒いビニール袋が、一つ二つ、みっつよっついつつ
ああ、やった。やった。やってやった!勝った、俺は勝ったんだ!
やっつけた!きいてくれよ、にいちゃん、悪い”敵”をさ、やっつけたんだよ、
今までのぶん、やりかえしてやった!
3発も殴れば簡単にきったねぇなかみをぶちまけてさ、あっけないもんだ、
ああでも、泣き様、小さな頃の俺みたいで、少し可笑しかったな、ははは、 は
……さて今日は、家族の為に、どんなご飯を作ろうかな
考えるだけで、楽しいなぁ。
そろそろ、終わろうか。
さようならしよう。
拾ってるばかりじゃ、だめだって、変えられないって分かったから。
青い瞳は暗闇の中でもわかるぐらい、澄んで不安げに揺れている。
昔一緒に読んだ漫画のおしまいの時のヒーローみたいに、
そんな風に、笑いたかったけれど
「――のこと、よろしく頼む。」
…上手く言えていただろうか。
優しく、気負いすぎた母と
しっかり者で、だけど強がりの妹と
やんちゃ坊主で、まっすぐな弟
それから、……いいや、俺の"家族"は、この3人だけだ。
正直言えば、お前らが見てる希望とか、
未来とかが憎くて、どうしてって、恨んだりもしたよ。
それでも、お前らが、この部屋で待っててくれたから。
こんなだめな俺を疑うことなく、信じてくれたから、
笑ってくれたから、確かに
「にーちゃがまた泣いてるー!」
「ええ!?ちょっともー!ほらちり紙!どうしたのよ…」
「違う、これは、違うんだ」
何よりも憎んで、何よりも愛した、たったひとつ
その日、ちょうど、帰り道で珍しく
1人の弟を見かけたから、一緒に帰ろうかなと思って、声をかけようとした。
そしたら、十字路から曲がってきた、スーツ姿の知らない男に話しかけられてるのが見えて。見兼ねた俺は、足を速めた。
遠目に見えたそいつは
知らない男?いいや、違う、忘れるはずもない。
目を見開く。今すぐ走り出したいのに、
足は地面に押さえつけられたみたいに動かなくなった。
手に持ってた買い物袋はぐしゃりと地面に落ちて、息が詰まって、
やめろ、触んな、触んな、触んな、
その手で俺の家族に、さわるな、やめてくれ、なんで、ここに
妹や弟は顔を知らない
この世でいちばん恐ろしい、かつての
俺の、父親
あたらしく産まれた命。抱っこしてみて、と言われたので、丸く小さな身体を抱いた。
「あなたはお兄ちゃんになるのよ、竹晴。」
母はそう言って頭を撫でた。お兄ちゃん、そうか、おれは、お兄ちゃん
お兄ちゃん、は、きょうだいを守るのが役目。
俺は長男だから。しっかりしていなくては。
夕飯の作り置きをして、今日もしごとへ行く。お金のために、家族の為に。
ああでも…あまり最近話せていないのも現状だな。
家を開けることが多くて、まだ2人とも小学生なのに。悩みがあるなら気になるし、
あ、明日はゴミの日だったけど、袋は足りていたっけ、
それから、それから…だめだ、足りないことばかりだ。
ゴム手袋が脂でぬるつく。額の汗が止まらない。
上手にできやしないことの方が多いけど、できるようにならなくては。
もっと頑張ります、から
だから、だから、何一つ持っていかないで。
今は、ここにいさせてください。
(…全部一緒に消えてなくなりたい、なんてそんな事は無理だから)
薄い青の瞳が見つめている。
俺はいつもの仕事部屋で、淡々と拘束と解体の準備を進めていた。
ああ、お前とは、つい昨日まで本当に"いい友達"だったんだけどなぁ
「…ね、僕は神様を信じてはいませんでしたが」
「あなたと会えたことで、もしかしたら居るのかなって、思えたんですよ。
僕にとっては、あなたが、…………」
彼の話に応えないまま準備を全て済ませると、台の上の電球の明かりをつける。
ぼんやりと白い身体が光に照らされた。薄い青の瞳が俺を見つめていた。
彼は俺の姿が見えると、安堵したように笑った。
それを見ると、背中がぞわぞわとして、服の下で虫が這い回っているようだった
恐怖か、嫌悪か、わからないものが、溢れ出る。
本当に、彼とはいい友好関係で、これからも何も変わらずに、過ごしていたかったのに
彼の信仰じみたそれは、均衡を狂わせるものだった
「受け入れます。あなたのすべてを………あなたがそうしてくれたように。
あなたが注いだ分 、僕は全部をささげます。だから、好きにして」
「それが僕の信じる愛です、僕は、あなたを赦」
とにかく聞きたくなくて、俺は手早く彼の頸動脈に刃を入れた。
××と料理をしていると、嬉しかった
話していると、楽しかった
毎夜の出来事を忘れることのできた時間だった
本当に、本当にいい友人に出会えたと
思っていた。………なのに
「僕は、知ってしまったんです」
彼はとてもうれしそうに、笑っていた。
…、けはる。
先を歩く母の声が自分の名を呼ぶ。
一度だけ、妹も弟も生まれる前のずっと昔。初夏のある日に、
母と二人で、電車に乗って、県外の海に、連れて行ってもらった。
科学工場の煙がまく海だったけれど、その時見た青は充分に眩しかった。
自分の色だ、母さんの色だ、と思った。
もう一度、「竹晴、」と母の声がする。
自分は追いつくのに精いっぱいだった。でも、母と手をつなぎたくて、走った、走った。
……今は、とてもとても遠くなってしまったけれど。
たった一度きりの、ほんのいっときの、一瞬の記憶。
その時の俺は、見た海とおなじ色をした、
母の差し出すその手を、手繰っていた。求めていた。
始まりなど、覚えていない。
それ程に、当たり前になっていたことだから。
夕暮れ時に扉を叩く音がして、俺ははーいと応えて、アパートのドアを開ける。
するとそこには、スーパーの袋と、食材を持った小さな彼がいて。
また買ってきたのか?うちで用意しとくのに。そうそう、今日はバイト先でもな、いつもより多くまかない貰ってしまって…なんて話をしながら。
俺は台所に立ち、彼はその間に宿題などをして待つ。
程なくして立ち込める湯気。完成した二人分の料理と食器をテーブルに並べて、
いただきます、彼は行儀正しい動作で、もぐもぐと飯を残さず食べていく。
俺は、そんな…日常の、…当たり前の一コマを見るのが好きだった。
…
……光景が、浮かんでは消えていく。
「…ァ゛」
喉の内側が空気に触れて、かぱかぱと器官が開閉して、ヒュウヒュウ、何か言おうにも、変なふうに空気が通る音しかしなくて
裂かれた箇所が乾きかけた血でべとつく、上手く言葉が紡げない。
自分のすぐ側で横たえているのは、柔い肌に激しい裂傷の入った彼。大きな黒の瞳は光を失い、蒼白い肌には何かがつたった痕だけが残っていた。
…あぁ、血が沢山出て、きっと痛かっただろう、上手く、いかなかった。ごめんな。
……ただ、
ただ、………こうするしかないと思った。
彼が遠くに行ってしまう前に、
彼が誰かの食い物にされる前に、
彼が本当に独りに、なる前に、
……やらなければ、ならないと。
そう思ったんだ。
…ふと、手に何かががさりと当たる。
寝転がったまま拾い上げると、それは争った際に散らばったのだろう、彼のランドセルに入っていた作文用紙だった。
題名には、『将来の夢』
彼の夢は、医者になること。綺麗な字で、そう書かれていた。
……はは。
そういえば前にふと、彼に聞かれたことがあった、将来は何になったらいいか。
その時俺は何も頭に浮かんでこなくて、上手く答えられなかったけれど
…なんだ、ちゃんと、見つけているじゃないか。
意識が白んでゆく。既に冷たくなった、*しい彼を抱き寄せて、目を閉じる。
……………花は、やっぱり大人だったんだなぁ。俺よりも、ずっとずっと。