ユーナ・セイトラ
◆陣営 : Evil
◆名前 :ユーナ・セイトラ
◆性別 : 女
◆年齢 : ??歳(10歳)
◆身長 : 180cm
◆体重 : ??kg(見た目のわりに非常に軽く体つきは少し骨っぽいようだ)
◆血液型 : 不明
◆ステータス
【HP/9、攻撃/9(+21)、魔適/4(+17)、耐久/3(+10)、魔耐/7(+7)、敏捷/9(+11)】
◆装着スキル / SP : 300(+610)
◆
個人ページ
髪型は腰下くらいの長髪を後ろ下でひとくくり
赤い紐でくくることが多く 髪は茶色 目は赤 肌の色は白め
右耳に赤いワンポイントピアス1つ
左耳に右と一緒の赤ピアスと 軟骨にはめるタイプ1つ
右目は生まれつき欠損しており様々な痕があるため普段は眼帯をしている。
口調はですます口調で薄く微笑む事が多く
一見すると物腰の丁寧な女性に見えるかも知れないが、
その表情はいわゆる一つの仮面である。
記憶喪失後は実験時の記憶やなぜ自分が化物になれるのかという記憶が抜け落ちている。
ただ体が覚えてるかのようにキメラとしての力をいくつか使用することができるようだ。
そして記憶が抜け落ちた今もなお残る人間への警戒心と恐怖に苛まれることになる。
しかし微笑みを貼り付けることは覚えているため、
表情は薄ら笑いを浮かべていることが多い。
ただ喋る言葉には警戒心ゆえかところどころトゲを感じるかもしれない。
名前についてはセイトラの部分は覚えていなく、ユーナとだけ名乗るようになっている。
◆返還記憶-----
まだ体の小さい頃。
閉ざされた部屋の中。引きづられる体。
来る日も打たれる注射の数々。飲まされる薬品。繰り返される実験。
寝ても覚めても抜けぬ副作用。動かぬ体。働かぬ頭。
そして戻る暗い暗い部屋の中。
そんな繰り返しの日々を繰り返させられていた事を思い出す。
いつもの部屋、いつもの実験。
私を苦しめる原因。指示をするのはあの男。
あぁ、また、針の刺さる感覚、が。
苦しい、痛い、熱い、嫌だ、なんで、こんな目に。
どうして、いっそ…。あぁ、でも、それなら。
一度、だけでも。あの男に、いや、いっそ全て。
体が熱くなる、意識が保てない。
一瞬の思考の暗闇の後。次に見た光景は、一面の赤。
口に残る鉄の味。さっきまで私の周りに居たモノ達が散らばる視界。
だが、あの男がいない、あの男も、殺さねば。
そんな光景と、ふつふつと湧き上がっていた感情を、その時だけ感じていた感情を思い出す。
微かに聞こえた声。
目を開くと見えるのはいつもの檻。
わずかな隙間から見えた部屋の先。
耳を澄ませる。あの男の声がする。
「あぁ…この歪で醜くて、完全な不完全…。これこそ理想の姿だ…。」
どこかうっとりとしたような瞳のあの男がいる。
その目の先には研究データ。
画面に映っているのはどこかで見たことのある姿。
あぁ、私達の…アレの姿だ…。
もはや人の欠片など残されていない、あの姿だ…。
あんな化け物の…何がいいのだろう。
そんな、あの男の理想の信仰対象として製造されていた一つだったという記憶を思い出す。
私は人に愛されず、動物や魔物にすら愛される事は無かった。
ただ一つ私を愛してくれる存在が一つ、
それは魔力の司る者『精霊』と呼ばれる者達だった。
魔力で構成されたこの体は精霊とよく馴染み、
いくら身に宿しても不思議と過剰魔力による拒絶反応が出ることはなかった。
そして私は誰にも知られる事が無いまま『精霊』達と契約を交わし、
不安定でもあったその体をつなぎ止めてもらいながら暮らしていた。
研究所内にいた時、私の名前それはたった4桁の数字だった。
研究所が無くなった後生きていく為に
名前が時として必要になった私は、目に入った名簿から名前を抜き取り使っていた。
姓が必要になった時に咄嗟に使ったのは昔いたあの場所の名前。
大した意味なんてなかった、だけどきっとそれが一番頭に残っていたのだろう。
……ただ、それだけ。
沢山の人を殺した。沢山の魔物を殺した。大人も子供も。
生きていく為にはそうするしかなかった。襲われたなら牙を向けなければいけない。
生きる為には襲い食す事だって時には必要だ。
だってそうしなくては私が死んでしまうのだから。
幾つもの命を奪った罰を私が受けるのが先か、私が先に死を迎えるのが先か。
まぁ、どっちの終わりを迎えようとどうだっていいのだ。
ただ、勝手に作っておいて勝手に殺されるのなんてごめんだと思った。
ただ、それだけだった。
胸にゆっくりと突き刺したソレはやがて光になって消えた。
体を構成する魔力がぶわりと溢れて、淡く光る魔力の欠片達が空へと還っていく。
ふと見た手先は視認する事も出来なくなって、
そこにあるのかすらわからなくなってしまった。
痛みもない、苦しくもない、だけど少しだけ…なんとなく、
どこか寂しいような気持ちだけが胸にひとつだけ残る。
でも、きっとこれも今だけ、直に意識も空に溶けて消えてしまう。
「私がここまでしたんです。…………少しは、長生きしてくださいよ。」
(本当は、もう少しだけ、生きてみたかった……なんて、今更ですがね。)
私は、私の事を知りたくなった。この体が一体どうなっているのかを。
この体についての全てが知りたかった。
各地の研究所に忍び込み、あの廃墟と化した研究所へも足をはこんだ。
機密にされている部分が多く
全てを知るには少し時間はかかったが、出来ないものではなかった。
全てを知った私は自身の体が長くもたないこと。
この体が出来た理由が人体兵器の類であることを知った。
私はまた新たに私のようなモノが生み出されないように、
見つけた資料をすべて処理しておいた。
欲しいと思った、あれも、これも、この世に存在する全ての知識が。
といっても実際に手に入るわけではないことは私にだってわかっていた。
だから、できるだけ欲しいと思ったのだ。
手に入る範囲の知識はできるだけ吸収していった、ジャンル問わずなんでも。
図書館の本を端から順に読んでいくような知識の入れ方をした。
今思うと、閉鎖された空間で抑圧されてたことによる反動だったのかもしれない。
けれど、結果的に今知識があることで助かっているのだから、
それはきっと悪いことではなかったのだと思う。
君の"衝動"とはなにか。
──探求。牙をむく反抗心と、生きる理由のために選び取ったもの。
それは君の呪文の性質、君が操る事象の姿。
映し出されたのは、答えるものもない荒野を歩み続ける旅人の姿。悠久の旅路。
君の"理性"とはなにか。
──死。生命の期限。生、そのもの。
君の持つべき杖、君を律する友の姿。
手に取ったのは、心臓のように脈打つ赤い石のはめられた杖。
閉じ込められた羽の色は、いつか共にあった友の色。
君の"伝えたい事"とはなにか。
──"命の価値"。その1秒の重さと、渇望。
それは君の持ち歩く呪文。君が世界へ答える解。
"心臓の重みを識れ 脈打つ血の熱を吠えろ
冷酷な死の誘いへ突き立てた刃の重さで 己の命の価値をはかれ"
獣のように牙を立て、吠える君は、そう唱えた。
君の"最も恐れるもの"とはなにか。
──無。得たものをなくすことは、容易い。
それは君が、自覚すべきこと。強大な力を操るものとして、知るべきこと。
君の契約相手として選ばれた魔女は、
"夜に囚われた、断罪の首狩り"の 呪いを持つ、「首狩りの魔女」。
名目上、君は彼女の僕となる。けれど忘れないで。
いつでも君は、それに立ち向かうことができる経験と知恵を携えているということ。
その重さを知り、赤い血の熱を瞳に宿す。
命の価値を問い、探求の旅を歩む君に……"命旅の魔術師"の名を、君に。
すべての知恵に忠実でありなさい。その時こそ、君は魔術師と呼ばれるのだから。
私が生まれた場所は、ほぼ一年中雪が降っているような場所だった。
それを冬と呼ぶのなら、私は冬の国で生まれたのだろう。
時折見えた外はいつだって真っ白か灰色でそれ以外の色なんてなかった。
ある日飛び出た外は、あんな私設でも恵まれていたのかもしれないというほど
凍てつくような寒さだった。
体の端から痛みが広がり、指先がかじかんで動かなくなっていく。
タグのついたままだった耳は金属部分が冷え切っていくせいで酷く痛かった
魔物の血や毛皮で暖をとっては歩いて、洞窟で風避けをして休んではまた歩いた。
そうしてやっとたどり着いた街で、身なりを整えたけれど。
結局そこにだって私の居場所はなかったのだ。
(血にまみれ実験着らしきボロを身にまとった私を恐れるのは当たり前のことでしょうに)
「君の魂は不思議なものだな」精霊がそう語っていた。
人ではなく獣でもない。
完全ではなく不完全で。
修復できないほどに不具合がある。
そう語っていた彼らはどこか哀れんだような表情だった。
私にはわからなかった。
なぜ哀れまなければならないのか。
どうしようもないものを哀れまれたところでどうすればいいのか。
それならばいっそその事実だけがわかればいい。
それだけでよかった、こんな命、これ以上哀れまれたら。
きっと死んだほうがマシになってしまうだろうから。
こぽり、空気が弾ける音がする。
ゆらゆらと揺れた視界は、全てをぼやかして写した。
機械音がする。なまぬるい体温と同じ液体が少しずつなくなっていく。
繋がれた管は動きを制限さえすれど、僅かに動かすことができた。
液体がなくなり視界がクリアになっていく。
「こんにちわ、--/-**」
何を言ったのかは途中までしかわからなかった。
暗闇から目覚めたばかりの私は、ただそれを、眺めていることしかできなかった。
男はそれで満足そうだった。
私はぼんやりと、男と、人を、周りを、ただ眺めて。
首をかしげるしかなかったのだ。
毒とは生物の生命活動にとって不都合を起こす物質の総称である。
では世界の維持活動にとって不都合を起こすかもしれない物質達の総称はなんのであろう?
異物?不純物?それとも別の何か?
毒よりももっと酷いのであろう私と、私達存在は一体世界にとってなんなのだろう。
毒とは治療し、排除しなくてはならないものだ。
私達は根絶し、なかったことにしなくてはならないものだ。
似ているのに違う。きっともっと疎まれているもの。
人が私をそう呼ぶのなら、世界が私をそうだとするなら。
私は、世界の、毒なんかよりももっと酷いナニかに。
なってやっても、いいかもしれないとも思った。