シド・レスポール
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◆陣営 : Justice
◆名前 : シド・レスポール (Cid=Lespaul)
◆性別 : 男
◆年齢 : 23
◆身長 : 152cm
◆体重 : 50kg
◆血液型 : AB
◆ステータス
【HP/9(+14)、攻撃/10(+31)、魔適/2(+3)、耐久/3(+36)、魔耐/9、敏捷/5(+28)】
◆装着スキル / SP : 300(+600)
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個人ページ
肩に触れる程度の長さの銀髪に、シアンブルーの鋭い瞳。
長い睫毛に白い肌、女性と見違うような、
端正な顔立ちをしている。
その上大変小柄なため、一見華奢な印象を受けるが、
衣類を脱ぐと、訓練で鍛えた筋肉がついており、声も年相応に低い。
クールで凶暴、口が悪い。
目的のためには手段を選ばないタイプ。
反面、身内に対しては、世話焼きで情が深い。
正義感が強く、手の届く範囲の人間は
助けたい・守りたいという願望がある。
「テメェらクズ共、全員まとめて廃棄処分だ!
── ゴミはゴミ箱で死ね!」
「心配すんな。お前に何があろうと、絶対に俺が守ってやる」
記憶が無いことに、表には出さないが不安を感じている。
頼るあてがないこともあり、記憶をなくす前よりいくらか友好的。
キレることも少なくなっているが、警戒心は強くなっている模様。
◆返還記憶-----
自分の世界には「楽園教」「古代魔術師教」「現代魔術師教」「王国教」
上記4つの宗教があったことと、その詳細について思い出した。
詳細イーラ崩壊時、「リジェネレーター」のコアに潜り、
あらゆるパラレルワールドと接触した際、
一番大切な人──イラリオン・ルィガノフが
別世界で自害する瞬間とリンクし、その光景を見た。
幼少期、家を強盗に襲われ、家族を皆殺しにされたことを思い出す。
しかし、同時に失っていたそれ以前の記憶もうっすらと思いだしたようで、
自分は確かに愛されていて、両親と幸せに暮らしていたことも思い出す。
家族を殺されたことによる、犯罪者への復讐心から、
国家機関であるESSF(イーラ国属特務治安部隊)に所属したこと。
またその復讐心は、今も消えていないことを思い出す。
「騙すようなことになってしまって、ごめんなさい」
「・・・構うな。なんであろうと、これで全てを終わらせる」
抗うと決めた。
それが、たとえ仕組まれた物語でも。
立ち向かうと決めた。
それが、たとえ孤独なものだったとしても。
──よく聞きな、子ネズミちゃん。
これはこの国の全員の命と、未来をかけた、一世一代のGAMEだ──
まなざしの先には、
黒く蠢く、卵。・・・それは崩壊への道標。
全てを、失うことになったとしても。
守る。守り切って見せる。
最後の、戦い。
最後の、決意。
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「魔法都市イーラ崩壊」の全貌、およびその際の「決意」を思い出す。
仕事帰りにゲーセン寄ること。
夜中にバイク走らせて星見ること。
休みの日に食材買いこんで料理の研究すること。
一人でも楽しかった。
でも隣に誰かいるともっと楽しかった。
俺にとってかけがえのない時間。
前に進むために、誰かを守るために、なくちゃならなかったもの。
始まりはなんだったっけ。
いつの間にか気が合うようになって、
一緒になってばかやって、
誰かといる楽しさを、かけがえのない絆を教えてくれた人。
俺の、初めての「親友」。
──よう、カート。あれから、元気にしてるか?
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病で倒れた親友、
「カーティス・シザーフィールド」について思い出した。
信じてもらえるとは思わねぇけどさ。
俺、ずっと願ってんだよ。世界平和、ってやつ。
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イーラ国属特務治安部隊(ESSF)を出て、
さらにその上部組織である「世界機構」に入り、
世界平和へ尽力すること。
それが叶わなかった場合、自身で組織を立ち上げ、
自分の船を持ち、世界中を周り、世界を自分の目でとらえ、
直接その平和に貢献すること。
それが彼の夢であり、目指している未来である。
「LEVEL3」──人を超えた力。
俺の負った傷、失ったもの、同じ思いをする人がもういなくなるように。
この手の届く限り、全てのものを守り切る、そのために手に入れた力。
もう二度と、悲しみを繰り返さない。
大切なものを、守るべき人たちを、絶対に失わせはしない。
それが彼の正義であり、信念なのだ。
大音量で流されるTVゲームの音。
宙づりの父、犯される母。
父は自ら首を吊った。俺のせいだ。俺がいなければ、こんな、
銃口はかたく頭に突きつけられている。なにがなんだかわからない。
母は渾身の力で凶行を振り払い、俺を捕らえている男に掴みかかり、逃げて、と叫んだ。
後ろで銃声がした。走った。力一杯走った。
その日は嵐で、雷がひどくて、はやく止まないかな、
ゲームをやめなさい、って怒られていて、それで
サイレンが響く中、運ばれていく両親の遺体を呆然と見ていた。
頭の中は真っ白で、もう何も思い出せなかった。
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家族が惨殺された、
幼少期の事件について思い出した。
俺は、遠い昔──ハムスターだった。
向日葵の種が大好物で、
回し車を全速力で回すのが日課。
飼い主にお腹をなでてもらうのが、至上の幸せだった。
ある日、ゲージの外に出してもらったとき、
ああ、不幸な事故だった。
俺は飼い主が開けたドアに走って行ってしまって、
──はさまって、死んじまったんだ。
そして、それから長い時がたち・・・
俺は人間になった。
あの日俺に幸せをくれた飼い主に、恩を返すために。
・・・たぶん。
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遠い昔、誰かに飼われたハムスターであったことを思い出した。
イーラ国属特務治安部隊戦闘班第C班。
"LEVEL3"、国の重要保有物として、
その組織の副指揮官の座についていたこと。
その組織で、国の治安維持のために、
各種の任務についていたことを思い出す。
戦闘班の人間が受ける人体実験「魔素洗浄」、
そして、その制服であるグレーのスーツを揶揄して、
彼らはこう呼ばれる、「薬漬けネズミ」と。
「──薬漬けネズミだ?舐めた呼び方しやがって。
俺はイーラ国属特務治安部隊戦闘班C班副指揮官、シド・レスポール様だ!
てめぇらクズども、全員まとめて廃棄処分だ。 ──ゴミはゴミ箱で死ね!」
自身が魔素洗浄という人体実験を受け、
その弟3層段階である"LEVEL3"を超えた検体であり、
国家重要保有物として管理されていたことを思い出す。
また、「記憶復元装置リジェネレーター」の正体を探るため、
同装置との深層意識の同期実験にも使われていた。
彼は、致死率99%の壁を超えた、1%の成功者(ギセイシャ)だ。
「守意」――願いの能力。
機関の元で動いていた時、強盗を見た。
知らない家を犯そうとする背中に、嫌な重なり方。
路を挟んで、俺は呆然とする。
反射的に動いた足、それよりも早く思ったこと。
俺の正義、信念が叫ぶんだ。
同じ後悔を、失った痛みをもう起こさせない。
大きな守りの意思。
触れなくても、強盗は願った通りに住人から離れ、壁に叩き付けられた。
思いが叶ったような力、
それが能力の始まりだった。
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守りの意思、その能力を思い出す。
「大変です、犯人が誘拐されました!!」
その声とともに、オフィスのPCに違法通信が入る。
映し出されたのは、捕えられた犯人──おびえ切った表情の二人と、
暗い部屋、赤いカーペットに黒いソファ。
・・・どこかのオフィスだろうか、黒いスーツの人々が笑っている。
『ハロー、マイフレンズ!プレゼントは気に入ってくれた?』
「テメェら何者だ・・・!?」
『君の友人さ、そう言ったろ?
俺たちきっとうまくやれる、協力しようってことさ──この国の"未来"のためにね』
「黙れ!今すぐその二人をこっちによこせ!」
『ドブネズミの話は聞く気ないってかい?
まあ、いいや。・・・ハツカネズミ諸君。よくお聞き。
これは君たちの最後のチャンスをかけた・・・君たちにとって一世一代の『GAME』さ。
残りコインはもうわずかだよ?
何も知らないままモタモタしてるとさ──』
モニターに向かって、派手な髪を七三分けにした眼鏡の男がにやりと笑う。
捕えられた黒髪の少年が叫ぶ。『兄貴、逃げて!』
縄をほどき、逃げようとした"兄貴"と呼ばれた男を見つめ、
眼鏡の男がのどを鳴らして笑う。
『──こうなっちゃうかもよ?』
そして。
兄貴と呼ばれた男は突如もがき苦しみ、頭をおさえる。
男の頭はみるみる膨れ上がり・・・破裂し、血と脳漿をまき散らした。
『違う、これは僕の作った薬じゃない、嘘だ、こんな!・・・兄貴、兄貴!』
黒髪の少年は泣き叫ぶ。
眼鏡の男は腹を押さえ、高笑いしながら言う。
『アッハッハ!・・・そーゆーこと、
君たちは最初から最後まで、俺達の手の上で踊ってたってワケ。
早く"気付かないと"、大変なことになるよ。
ま、これからも期待してるよ?
ねえ。そう言ったろ、マイディアーフレンズ♪』
「・・・くたばれ!」
俺は、画面に向かってそう叫んだ。
ブチリと通信は切れ、冷たい沈黙がその場を支配した──。
「シド、強くてかっこいい男の子になるのよ。
そして、大きくなってもお母さんを大好きでいてね。絶対よ!」
……それは、母さんとの約束。
「忘れないでとは言わないわ、
だけど、……私がそばにいることを、思い出してね」
……それは、初めて好きになった人との約束。
「お兄ちゃん、この街を守る仕事をしてるんでしょ?
僕がいつかヒーローになるときまで、バトン渡しておくからね!」
……それは、名前もしらない男の子との約束。
「これが最後になっても、あなたにすべてを賭ける。
……だから、お願い。生き延びて、そして帰ってきて」
……それは、仲間との約束。
「約束なんて嫌いだ、
けど、……死ぬ時は、俺も連れて行って」
……それは、誰よりも愛しい人との約束。
今でも俺を支えてくれているもの。
そのひとつひとつが、
声になって、光になって、俺の一部になった。
忘れないよ。俺が一人じゃないこと、証明してくれたから。
だから、この約束を、絆にして。
「おう、任せとけ。絶対に俺がなんとかしてやる!」
懐かしいな。
俺が会いに行くとすっげえ可愛い笑顔で走ってきて、
飛んで抱きついてきたんだ、あの子。
小さな手は簡単に傷つきそうで、
でもあの子はすべてに祝福されてるように見えて、
ああ、これって"親ばか"なのかな、
俺がずっとそばにいて、守ってやらなきゃって、
本当に、強くそう感じた。
・・・そばで笑っていたあいつの顔、
俺、ちゃんと覚えてるんだよな。
あれから、ずっと会ってないや。
元気にしてるのかな。
俺がはじめて恋をした人と、
その人の大事な子。二人で守りたいと願った子のこと。
思い出すとすべてが眩しく思えて、
ああ、これが青春っていうのかな、
って思ったかな、・・・ちょっとだけな。