秋色森の図書館より
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陣営:制限なし
推奨人数:1~2人
推奨スキル:注視/幻視、制作_工作、善意
時間:1~2時間程度
GMボーナス:ステータス成長5Pt or SP成長+50(※3回)
秋色に染まる葉が落ちた昼下がり。
あなたは古びた図書館へと訪れた。
どこを見ても本ばかり、溢れる知の波にはいくつになっても驚くばかり。
秋の読書週間が終わったこの頃、
…ホゥと鳴いた梟の管理人には、少々困りごとがあるようだ。
ダンジョン「四季の国」専用のシナリオです。
※NPCから頼まれごとをされる為、
進んで解決を提案したりする探索者の方がやりやすいかもしれません。
※シナリオに書かれていない情報については、GMの裁量にお任せいたします
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フクロウの管理人の頼まれごとを手伝い、図書館を後にすること。
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晩夏から秋の気候を保ち続ける森にある、古びた図書館。
森の動物や虫たちが良く利用しているようだ。
最近「秋の読書週間」が終わったばかり。
年老いたフクロウの管理人「おばば」がひとりで管理している為、
管理が追い付いていないところも多々あるようだ。
……本当は後を継いでくれる孫がひとり居たのだが、今回の話に関連は無く、
管理人も其れを語ることはできない。
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……秋独特の乾きはじめた風が吹き抜けた。
目を開く。気づけばあなたは、葉も秋色に染まった森の中に立っていた。
足元には、平らで大きな石が石畳の道のように点々と敷かれ、森の奥へと続いている。
傍にはあなたの他に誰も居らず、ただ葉が風に揺れる音だけが響いているだろう。
道に誘われるように先へといけば…、木々が少し開けた空間に出た。
そこにあったのは、古びており小さくもあるが、
しっかりとした造りの木造の建物があった。
庭先には、秋の花々が拙い手入れながらも可憐に咲き誇る。
曇った窓硝子からは中の様子は伺えず、扉も締まっている。
…扉の横には、何やら文字のようなものが書かれた看板があるようだ。
ノックをしても、返事はない。
いいえ、もしかしたら返事はされたのかもしれないが、
遠くて聞こえなかったかもしれない。
扉を開くのであれば、図書館内へと描写が移ります。
◎skill情報--------
「注視/幻視」→(看板)
看板には、「ふくろう図書館」と書かれている。
その下には開館時間と閉館時間。空の色を見る限り、
閉まってはいないのだろう、と分かりますね。
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扉を開いた向こうで、真っ先に目に入ったものは。
少し広めにとられた部屋の中央の大きな回転式本棚。
そして、壁に並ぶ背が高い本棚の列。
高い場所のものをとるための、移動式の脚立……、
そして、返却カウンターの上に置かれたままの沢山の本。
少し冷えた心地がいい空気が、肌の上を撫でていく。
古びた本の香りが鼻孔をくすぐっていく。
そうして、あなたが建物の中に一通り目を移し終わった頃。
部屋の奥、壁の上部に開かれた窓から、
ばさばさと何か鳥が羽ばたくような音が聞こえてきた。
「はいはい、お待たせいたしましたね」
そんな優しく落ち着いた声のあと、窓から姿を現したのは。
少し色あせた羽根を持つ、灰色のフクロウだった。
フクロウはカウンターの傍へと降り立つと、ホゥ、と鳴き。目を丸くする。
「あらあら、まあまあ。初めてのお客さんね?こんにちは、ホゥ、ホゥ」
「図書館をご利用なさるのかしら? そうなら、ごめんなさいねえ」
「つい昨日、"読書週間"が終わりましてね。ホゥ。森のみんなが、
借りていた本をきちんと返しにきてくれたのは良いのですけれど…」
「見ての通り、管理人がわたしひとりだから、まだ本棚に収めきれていないの」
「これを片付けてしまわないと大変だから、新しく本が貸し出せないのよ」
フクロウはそう言って、痛そうに足を翼でさするだろう。
探索者が本の片づけを手伝いを申し出たり、気遣う様子を見せたのなら、
手伝ってもらう方向へと話を進めてください。
「ホゥ。まぁ、本当に?」驚いたように目をきゅっと丸くする。
「まぁ、まぁ。それはとっても助かるけれど、お客様なのに…」
「…でも、そうね。お言葉に甘えてしまってもいいかしら?」
「歳をとるのは嫌なものね、若い時みたいに動けないのは事実だから。
ありがたく、助けていただきますわ。ホゥ」
申し訳なさそうだが、それでもどこか嬉しそうに、フクロウは首を傾けるだろう。
◎skill情報--------
「注視/幻視」→フクロウ
どこからどう見ても、灰色の羽を持つフクロウだ。
どうして喋っているのかは分からない。
羽根色の褪せ具合や、摩耗具合。
少ししわがれた落ち着いた声などを見る限り、
お年を召されているのではないかと感じられるだろう。
(※名前や素性を尋ねられれば、こう答えます)
「わたしは、森の皆からは、図書館の管理人や、おばば、と良く呼ばれておりますよ」
目を細める。鳥の表情はあまりよくわからないが、
鳴き声と声の柔らかさで、笑っているのではないかと察せられるだろう。
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簡単なミニゲームは発生します。
閉館時間までに、返却カウンターにある本を片付けることが目標となります。
工程毎にダイスを振って頂きます。期待値は100スタートですが、
@読書が大好きだ。
A掃除の間に、気になる本を見つけると
ついページを開いて読み始めてしまうことがある。
B本を粗雑に扱ってしまう癖がある。
C文字が読めない。
D片付けが得意ではない。
上記に当て嵌まる項目の分だけ、期待値から-15されます。
判定に失敗してもクリア失敗になる、という事はありませんが、
結果によるRPでも楽しんでいただけたら幸いです。
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管理人はあなたに片付けの工程を教えて頼むと、
カウンターの横で古びた本の修繕に入ることでしょう。
それでは、頑張っていきましょう。
▽工程順
@「本をジャンル毎に分別する」
A「分別した本を棚に仕舞う」:ダイスを三回振ります。
B「本の修繕を手伝う」:「制作_工作」を併用します。
※Bは出来なかったり自信がなければ、工程をスキップしても構いません。
C「修繕した本を棚に仕舞う」
全ての工程を終えれば、エンディングへと向かいます。
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……、全ての工程を終えた頃になれば。もうとっくに太陽は傾いて、
曇った窓ガラスからも夕焼けの陽が赤く差し込んでくる頃になりました。
ただでさえ薄暗い館内も、さらに暗くなっていく頃です。
管理人は器用に翼を動かし、小さなランプに明かりを灯します。
「こんなに早く片付くなんて。ホゥ、驚いたわ。
ありがとうねえ、とっても、助かりました」
「こんなに遅くまで付き合っていただいて、ごめんなさいね」
ホゥ、ホゥ、と嬉しそうにフクロウは鳴く。
「もうすぐ時間だけれど。少しなら、開けておけるわ。
本を見ていらっしゃいな。貸出カードを用意しておきますから」
探索者が本を見たり、借りたいと望むなら此処で貸出を許可してあげてください。
借りる本数は常識の範囲内で、探索者の借りるRPはお任せ致します。
貸出を終えるか、RPがひと段落すれば管理人は図書館外まで見送りに出ます。
▽借りた場合の演出
フクロウは器用に翼を使って、貸出期限のハンコをぽんとあなたの貸出カードへと押す。
そして、それを本の一番後ろへと挟むと、本をあなたへ手渡しました。
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扉を開けば、ランプの灯が暗くなった外へと淡く漏れる。
夜が近づきつつある中、あなたは足元に注意しながら図書館の外へと出た。
気を付けてね、との言葉と管理人に温かく見送られ、
あなたは森の道の先へと足を進めただろう。
・・・
・・
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……気が付けば、森を抜けた先はあなたが見慣れたあなたの拠点、其の場所だ。
夜の星明かりだけが照らす下、腕の中には一冊の本。
耳の傍を、秋の穏やかな風が吹き抜けていった気がした。
chapter「秋色森の図書館より」セッションクリアになります。
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▽クリア報酬
・ステータス上昇3pt or スキルポイント30pt
▼追加報酬:片付けを手伝ってくれたPCへ
・自身の「秋」または「本」に関する記憶の一部分(要選択)
・アイテム入手「
秋の差し色」
▽特殊入手
【春/「花見る兎」「春衣屋の仕立て屋見習い」】
【夏/「願いを叶える星の子の話」「夏蛍に灯り道」】
【秋/「注文の多いお客様」「秋色森の図書館より」】
【冬/「ゆきと道連れ」「白雪下のかくれんぼ」】
上記シナリオの「春」「夏」「秋」「冬」の内、
其々の季節のシナリオを1つずつクリアした探索者に限り、
アイテム「
四季の彩り」を入手出来ます。
既に入手した探索者であれば、下記リストからひとつ入手して構いません。
(※今回「四季の彩り」を初めて入手する探索者でも、入手後に選択可)
・
星の呼び笛
・
青空流星ロケット
・
生まれた縁を大切に
・
渡り辿りし玉手箱
・
叡智の宝珠
・
開闢の宝珠
・
景色の衣替え
・
魂心の終着点
・
仮宿のすゝめ
・
私の記憶とあなたの夢
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