夏蛍に灯り道
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陣営:制限なし
推奨人数:1~2人
推奨スキル:注視/幻視、嗅ぎ分け、追跡、登攀、投擲
時間:1~2時間程
GMボーナス:ステータス成長5Pt or SP成長+50(※3回)
夏の面影を現す夜。
右も左も前も後も分からない暗い森の中で、あなたはひとりの小鬼に出会う。
灯りひとつを携えて、蛍を追いかけ帰り道を一緒に探しにいこう。
ダンジョン「四季の国」専用のシナリオです。
※シナリオに書かれていない情報については、GMの裁量にお任せいたします
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森の中の湖までたどり着き、帰り道を見つける。
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常に薄暗く、夕暮れと夜を繰り返す妖ものの里。
鬼や妖怪といった種族のものが協力し合い暮らしている。
稀に、現世と呼ばれる世界から人が迷い込んでくる事があるのだとか。
今回出てくるNPCは、里を取り仕切る長の息子ではあるが、
まだまだ未熟な自身を恥じている為、其の正体を自ら口にすることは無い。
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……虫の声や、少し蒸し暑いくらいの湿気が辺りを支配する。
暗い、光の一片すらも見つからないような森の中で、あなたは意識が戻った。
傍にはあなたの他に誰も居らず、ただ葉が風に揺れる音だけが響いているだろう。
◎skill情報--------
「注視/幻視」→(周囲)
かなり遠くの方で時折、ちら、ちらと。灯りのような光が見える。
……その灯りは徐々にこちらへ近づいてきているような…気がする。
「聞き耳」→(周囲)
かなり遠くの方から、草木をかき分けて
此方へ何かが向かってきているような、そんな音が微かに聞こえる…気がする。
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其の場で少し待ってみれば…、やがてがさがさと其の音は大きくなっていき、
此方へと近づいてくる灯り…いや、灯りを手にした"誰か"が居るのが分かる。
灯りの主が完全に視認出来るようになった頃、それはとても驚いたような声をあげた。
「…わ、」
それが手に持った小さな提灯…灯りに照らされて分かるものは、
少し浅黒い肌、和の装い、そして人のものとは思えない鋭い瞳孔を持ち、
頭上からふたつの角を飛び出させている…子供だった。
◎skill情報--------
「幻視」→(子供)
人ではないと、はっきり分かる。
あなたが「鬼」を知っているのであれば、その風貌に面影を見るだろう。
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小鬼は最初は驚いたように探索者を見て目を丸くしますが、
怖がられたりなどすれば敵意はないと告げながら、
探索者が夜の森にいる事情を聞き出しにかかるでしょう。
「…森の気に当てられたのかな、迷子?」
「夜の森は人を迷わせやすいから、帰り道は、分かる?」
帰り道が分からない等という旨を答えれば、
小鬼は自身が此の場所で警ら隊(パトロールのようなもの)を勤めている事、
仕事の一環として、帰り道の心当たり…森の案内を探索者に申し出ます。
こほん、と少しわざとらしく咳をして。提灯を軽く掲げ、向き直る。
「ええと、僕は鬼酒って、いいます」
「常世の里警ら隊の、見習いをしています」
「道に逸れた迷子とのことで、帰り道が見つかるよう、
ただいまから案内に向かいます…」「…」「ってことで、だいじょうぶ?」
「この森の奥に、"蛍の神様"がいるんだ」
「わすれたものを思い出させてくれたり、見えなくなった道を教えてくれたりする」
「きっとその神様なら、あなたの帰り道を教えてくれるはずだよ。
だから、そこまで俺が案内してあげる」
「森の中で迷ったら、神様の子供…蛍が助けてくれる事も良くあるんだけどね」
探索者が其の事に了承すれば、一緒に森の中へと進んでいく事だろう。
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しばらく歩くと、辺りからか、さわさわ、と木の葉が揺れる音が強く響いてくる。
音はどこか方向を迷わせるかのように頭を揺らすだろう。
其れを聞くと小鬼は難しい顔をして、探索者に注意を促す。
「悪戯好きだから、そのせいかもしれないけど、
森が迷わせに来てるみたい。迷わないように道を探さないと」
探索者は小鬼と協力して森に迷わされないように、
"蛍の神様"の元へとたどり着かなければなりません。
"音"や"方向感覚"は惑わされ、上手く機能しないでしょう。
代わりに、目や鼻を上手く使うことが重要になってきます。
描写文ごとに適宜、適切なスキルを使用することで、先へと進むことができます。
道すがら、適当に雑談などを交わしても楽しいかもしれません。
これにはダイス判定を用いますが、
適切なスキルを併用(ひとつのみ)することで、判定の期待値は上昇します。
他スキルやアイテムなどの補正も加えて良いですが、
期待値の上限は85まで、下限は15までとします。
▽GM情報▽
尚、探索者が「蛍の姿を探した」場合は、
蛍が見える場所が先へと進む手がかりを教えてくれる事でしょう。
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【スキル使用タイミング@】判定期待値/60
「先ずは川を探さないと。そこまで行けば、
あとは上流へと登るだけだからわかりやすいと思う」
「何か道の手がかり、その辺りにないかな?」
小鬼はそう言って、周囲をきょろきょろと見渡す。
提灯は淡く周囲を照らすが、見えるのは森の木々や茂みばかりだろう。
(蛍の姿を探す…注視/幻視)
(水の匂いを探す…嗅ぎ分け)
他、GMが納得する動機付けで探索した場合、期待値10~20を追加して良い。
判定成功/失敗によって、結果文を出してあげてください。
もし失敗した場合は、道に迷いますが、
スキルの使用タイミングをイイ感じに増やして、もう一度判定させてください。
▽判定クリア文一例
ある方向から、水の気配のようなものを微かに感じた。
探索者が其方へ手がかりがあることを伝えれば、
小鬼は提灯を前に掲げ、あなたと一緒にその方角へと慎重に歩いていく。
森のざわめきは少し静かになり……、
やがて、水の音が強く耳に届いてきた。
茂みを抜ければ、其処には少し大きな川が流れていた。
川に沿い続く石道は上流へとずっと続いている。
「川に出た!」「行こう、この先だよ」
そう言って、探索者の手を引き慎重に上流へと向かい、歩いていく。
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【スキル使用タイミングA】判定期待値/50
足元にごろごろとひしめき合う石を踏みしめて
先へと向かえば、ざあざあという音が聞こえてくる。
見れば向かう道の途中、あなたの身の丈を少し超えるくらいの崖から
滝のように水が流れ落ちているのが分かるだろう。
上流へ向かうには、この崖を越えなければ難しそうだ。
「わ、崖…」
「ううん、俺が上に登れたら、引っ張り上げることも
出来ると思うんだけど、登るの、苦手なんだよなぁ…」
「…どうする?登るの手伝ってくれる?それとも、あなたは登れる?」
「別の道がないか、回り道をするのもいいかもしれないけど」
(蛍の姿を探す…注視/幻視)
(別の道がないか探す…注視/幻視)
(崖を登る、その他選択肢…登攀、支援他)
他、GMが納得する動機付けで探索した場合、ひとつにつき期待値10~20を追加して良い。
判定成功/失敗によって、結果文を出してあげてください。
もし失敗した場合は、道に迷いますが、
スキルの使用タイミングをイイ感じに増やして、もう一度判定させてください。
▽判定クリア文一例
【崖を登った場合】
少し急な崖であったが、あなたと小鬼は協力して無事崖を登り切る事が出来た。
小鬼はへっぴり腰だったかもしれないが…。
「ふうーー……、あと少しだね」
あなたにそう告げて、共に上流へと足を進めていく事でしょう。
目的地はもう、直ぐ其処だ。
【回り道をした場合】
崖伝いに辿って行けば、一部の場所崩れ植物が茂っており、
坂道のようになっていて登れそうな所を見つけられるだろう。
小鬼とあなたは滑らないように気を付けながら、無事崖の上へと登る事が出来た。
「ふうーー……、あと少しだね」
あなたにそう告げて、川の場所まで戻り、共に上流へと足を進めていく事でしょう。
目的地はもう、直ぐ其処だ。
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歩くのと同時にゆらゆらと揺れる灯りを頼りに、暗い森の傍を歩いていく。
やがて、川は森の中の水源……小さな湖へとたどり着いた。
湖の傍には腰程までの大きさの祠があり、その前には賽銭箱も置かれているようだ。
辺りにはちら、ちらと蛍の灯りが飛び交っている。
祠の前まで来た小鬼は、参拝の手順に従いお参りを済ませると。
お願いごとをするかのように手を組む。
「…帰り道はお願いしたけど、」
「何かわすれものに関するお願い事、ある?」
横目でちら、と探索者の方を見て促す。
なにか他にお願い事をするなら今、とでもいうように。
(※此処で探索者が何かお願い事をすれば、報酬が追加されます)
探索者達がお願いごとを終えると…、
同時に辺りへぶわりと、蛍の点々とした光が舞い上がる。
その灯りは、迷い子を誘うかのように列を成し、
探索者を導くように湖の奥の森の中へと、道灯すことだろう。
「帰り道、見つかったかな」
それを見て、小鬼は安心したように胸をなでおろすと。
そちらの道の入口まで、探索者の手を引き、送っていく。
「それじゃあ、またね。夜も遅いから、気を付けて」
最後に少し名残惜し気に。道の前でそっと手は離された。
点々とした蛍は道を連ね、森の先まで、あなたの背を送っていく。
・・・
・・
・
蛍の光がどこかへ消えてしまう頃……気が付けば、
森を抜けた?はあなたが見慣れたあなたの拠点、其の場所だ。
夜の星明かりだけが照らす下、
腕の中にはここまで導いてくれた小さな灯りがひとつ。
瞼の裏にはいつまでも、夜を照らす火がちらちらと揺れていた。
chapter「夏蛍に灯り道」セッションクリアになります。
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▽クリア報酬
・ステータス上昇3pt or スキルポイント30pt
▼追加報酬:無事に帰ることが出来たPCへ
・自身の「夏」または「帰り」に関する記憶の一部分(要選択)
・アイテム入手「
夏の差し色」
▼追加報酬:わすれものを願ったPCへ
・自身の「忘れていた事」に関する記憶の一部分、
または、「忘れていた事」に関しての情報ひとつ
▽特殊入手
【春/「花見る兎」「春衣屋の仕立て屋見習い」】
【夏/「願いを叶える星の子の話」「夏蛍に灯り道」】
【秋/「注文の多いお客様」「秋色森の図書館より」】
【冬/「ゆきと道連れ」「白雪下のかくれんぼ」】
上記シナリオの「春」「夏」「秋」「冬」の内、
其々の季節のシナリオを1つずつクリアした探索者に限り、
アイテム「
四季の彩り」を入手出来ます。
既に入手した探索者であれば、下記リストからひとつ入手して構いません。
(※今回「四季の彩り」を初めて入手する探索者でも、入手後に選択可)
・
星の呼び笛
・
青空流星ロケット
・
生まれた縁を大切に
・
渡り辿りし玉手箱
・
叡智の宝珠
・
開闢の宝珠
・
景色の衣替え
・
魂心の終着点
・
仮宿のすゝめ
・
私の記憶とあなたの夢
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