春衣屋の仕立て屋見習い
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陣営:制限なし
人数:1~2人
推奨スキル:特になし
時間:1~2時間程度
GMボーナス:ステータス成長5Pt or SP成長+50(※3回)
目が覚めた其処は、春風が優しく吹く広い野原。
どうしてか、あなたは周囲の草花よりも小さな身体で其処に立っていた。
開けた道のような隙間を潜って向かった先、
大きな樹の下でスケッチブックを広げた一匹のハリネズミと出会う。
この春、デビューしたばかりだという仕立て屋見習いのかれは、
どうにも仕事が上手くいかないらしく、泣きそうな様子で…?
ダンジョン「四季の国」専用のシナリオです。
※シナリオに書かれていない情報については、GMの裁量にお任せいたします
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ハリネズミの相談を聞いてやり、アドバイスをしてあげる。
探索者がハリネズミの相談を聞かない事を選択した際は、
ハリネズミに帰り道を教えてもらう事をクリア条件とする。
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春の花々が咲き誇る、春の野原。
其の気候を好む動物や妖精…生物たちが集う場所。
小型のものが多く、備わっている設備なども小型化されている場合が多い。
菜の原で知らぬものはいない、と言える程有名な"仕立て屋"。
沢山のデザイナーや仕立て人を抱えている大きな店だ。
皆やる気と上昇思考に満ちており、その分従業員同士の競争も激しく、
自身の腕に悩みを持つものも多いようだ。
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「春衣屋」という仕立て屋にて、
この春デビューしたばかりのハリネズミ…「菜の原の見習い」は、
客の要望に沿えているとは言えないデザインしか思い描けずに悩んでいた。
この日も、休店日ではあるが店の道具やスケッチブックを借りて、
少しでも良いデザインが思いつくようにと足を運んでいた所、探索者に出会う事になる。
猫の手も借りたい心境、何か少しでも
視点が異なるアドバイスを貰えないだろうかと
探索者にスケッチブックを見せて、提案を乞う事になるだろう。
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……そよぐ風が優しくあなたの頬を撫でる。
眩しい陽光が、ちらちらとあなたを照らす。
微かに薫のは植物の匂いだろうか、ざらりとした土の感触が掌の下で転がる。
閉じていた目を開くと…、まず目に入ってきたの手入れのされていない土肌だ。
そうして地面を辿って顔をあげていけば、
其処には身の丈よりもとても大きな大きな………ねこじゃらし?
周囲を見渡してみれば、どこもかしこも巨大な草だらけ。
そうして、ようやく。
自分の身体がとても小さくなっていることに、あなたは気づくのだろう。
◎skill情報--------
「注視/幻視」→(周囲)
良く見て見ると、足元の地面だけ他の場所より少し踏み固められていたり、
草が隙間を開けている……ように見える。
道ともいえない道のようなものは、前へとずっと続いているようだ。
其の方向を見てみれば、
大きな(きっと元のサイズなら普通の大きさの)樹があるのが分かるだろう。
(※整備された道ではない、獣道のようなものです)
樹の方へ進まない限り、道に迷って暫く時間を無駄にしたあと、
また此の場所へ戻ってきてしまう事でしょう。
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大きな樹の元へいくと、其の近くには
大きな(きっと元のサイズなら以下略)川が流れているのが分かる。
其の川には桟橋のようなものがかけられているが、どうやら船は見当たらない。
桟橋から樹の根本の方には綺麗な木目の道が続いているのを見る限り、
其方が本来の道なのでは?と思うだろう。
探索者が通ってきた道のような隙間は、樹の裏側の方へと続いている。
今立っている場所からは、樹の表側か裏側何方にでも行くことも出来るだろう。
【表側にいく】→
綺麗な木目の道が続く先、樹の根元には
何やら探索者の身長でも問題ないほどの大きさの扉があった。
扉の上には大きな看板があり、あなたでも読める文字で「春衣屋」と書かれている。
扉脇に立てかけてある板を見る限り、どうやら此処は仕立て屋のようだ。
……しかし、扉には丈夫そうな南京錠がかかっており、
本日は休店日だということが分かる。人の気配もない。
(※扉をノックしたり、音が出るような行動を探索者が起こした場合)
どこか遠くの方で、草をかき分けるような音がこちらへ徐々に近づいてくる。
樹の裏側の方からのそのそ歩み、
鼻をひくひくさせながら……、何かがやってくる。
「…お、おきゃくさまですか…?
すみません、すみません、きょうは、お店、お休みで…」
探索者が其の場から動かないのであれば、「6.見習いハリネズミとの出会い」へ。
逃げたり隠れたりした場合も、ハリネズミがやって来て探索者の姿を発見します。
きっと慌てて、探索者のことを呼び止める事でしょう。
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【裏側にいく】→
樹の裏側は今の時間いい具合の日陰となっており、
従業員の為のものであろう裏口扉が樹の根本についていた。
大きく張り出した根の一部は綺麗に切り整えられて、
小さなベンチのようになっている。
近くには背の低い野花の花畑があり、見ごろであろう。
…そのベンチの場所で、何やら大きな影がうんうん唸っている。
探索者が近づけばあなたに気づき、其方を向く事でしょう。
「…お、おきゃくさまですか…?
すみません、すみません、きょうは、お店、お休みで…」
→「6.見習いハリネズミとの出会い」へ
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図体のでかい影とは裏腹に、気弱そうな小さな声を出す主。
それは、探索者の背丈をとうにこえた大きな(きっと元のry)ハリネズミであった。
身体が小さな探索者を前にしても、少しおどおどとしているだろう。
※「3.シナリオの流れ把握(GM情報)」を見ながら、
ハリネズミから探索者に必要な情報を提供したり雑談したりしつつ、
ハリネズミが抱えているスケッチブックを見せながら、
"自身の衣装デザインのアドバイスが欲しい"という話題に持っていきましょう。
表側で邂逅したのであれば頃合いを見て、裏側の休憩所に連れていって下さい。
▽台詞サンプル
「は、はじめてきたお客さん…ですか?
すみません、すみません、お休みですみません…」
「僕、僕はええと、菜の原の見習い…と呼ばれることが、多いです」
「あっ、」「これは…その、…はい」
「僕…この春デビューしたばかりの見習い…なんですけれど、」
「あんまり仕事が上手くいかなくて、」
「こうしてお休みの日にデザインを考える勉強でもしないと、
他のみんなに追いつけないと思って、…絵を描いていたんです」
◎skill情報--------
「注視/幻視」→(ハリネズミ)
一般的な毛色の、身体の大きさだけが大きなハリネズミだ。
よーーくみると、鼻の上、目の下にちょこんと小さなメガネをかけている。
どことなく、気弱そうな印象を受けるだろう。
腕に抱いているスケッチブックをぎゅっとしている。
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裏側の休憩所に来たのならば、ハリネズミは器用に手を動かして、
小さな小さなマグカップに菜の花色のお茶をいれて渡してくれるだろう。
ハリネズミのスケッチブックを開き、其の中を眺めてみれば…。
この店で担当している客は、とても小柄な動物や虫、
…小人や妖精のようなものなのだと分かる。
テントウムシの頭にちょこんと乗せられたリボンの装飾や、
春の色に合わせたリスのチョッキ、花の刺繍をあしらった妖精のドレスなど……。
しかし、そのどれもに赤い文字で修正の言葉が書かれている。
テントウムシ…「地味。もう少し華やかに、派手にという注文が入っています」
リス…「春の色に合わせただけでは、ご要望に副えたとは言えません。お客様の特徴などを考えて工夫してください」
妖精…「妖精は"自然"が大好きです。花を差し込むのは悪くないアイディアですが、もっと素材やデザインにもこだわってください」
などなど。総じてまとめるなら、
「もっとお客様の立場になって、考えること」といった内容です。
「テントウムシのお嬢様は、お茶会に出る時につける装飾具のリボンをご要望でした。とにかく可愛らしくて自分に似合うものをと…」
「なので、リボンに水玉模様をあしらってみたりしたのですが…」
「リスのお兄さんは、冬の間に使えなくなってしまったチョッキを思い切って新しく仕立てたいとのことで。せっかくだから、春らしいものをと思ったんですけれど…」
「妖精のお嬢様は…、ただ、綺麗なドレスを作って、とだけしか…」
「沢山考えたんですけど、どうも煮詰まってしまって、」
「ひとつだけでも、どうかアドバイスをいただけませんか?」
どれかひとつだけでも、全てにでも、アドバイスをあげることでお話が先に進みます。
どれにどんなアドバイスをやるかは
探索者にお任せしますので、自由に口を出してみてください。
また、アドバイスをやらずとも話は先に進みますし、
クリア失敗ともなりませんのでご安心ください。
アドバイスを頂いたら、探索者の言葉に合わせた反応を返して下さい。
アドバイスが貰えなければ、しょんぼりとはするだろうが大人しく引き下がります。
▽台詞サンプル
「すごい…、すごいよ…!僕では、思いつかなかったアイディアだ…」
一心不乱に書きなぐって、……ペンを留める。
「本当に、すごいな…こういうのがきっと、
お客様の立場に立って考えるってことなんだろう、な」
「こうしてみてみると…、僕のデザインは凡庸で、
着るひとのことを考えず、ただ描きたかっただけのものみたいに見える」
「今回もらったアドバイスと一緒に…、
僕ならどう作れるか、もう少し考えてみることにするよ!」
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アドバイスを貰えたか貰えなかったかは探索者次第ですが、
一通り雑談やRPが一区切りすれば、ハリネズミは探索者へこう切り出します。
「そ、そういえば…、どこかにいく途中だった?
ずいぶん長く引き留めてしまったけれど…」
「もう少ししたら陽も暮れ始めるし、この辺りは灯りも少ないし、
暗くなったら大変だから家に帰った方がいいかもしれないよ」
ハリネズミは探索者に心配そうに声をかける事でしょう。
此処で探索者が帰り道が分からないなどの事を言えば、
自分の分かる道まで送っていくとハリネズミは提案し、
荷物を取ってくると言って従業員用の扉から店の中へと入っていきます。
あなたは其の場にひとり、残される。
ちらちらと振る暖かな陽光と心地、香る花、
ぺらぺらと風にまくられるスケッチブックの音。
心地よい春の中、だんだんと……、ゆっくり、瞼が降りてくる。
どこか遠くで、あなたを呼ぶ声が聞こえた気がした。
・・・
・・
・
…………、目を覚ました先は、
うららかな日差しが差し込む、あなたの拠点の近くの森だ。
樹にもたれかかるようにして、どうやら眠っていたらしい。
春の微かな残り香だけが、あなたの出かけ先を知っていたことだろう。
chapter「春衣屋の仕立て屋見習い」セッション終了になります。
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▽クリア報酬
・ステータス上昇3pt or スキルポイント30pt
▼追加報酬:見習いにアドバイスをくれたPCへ
・自身の「春」または「厚意」に関する記憶の一部分(要選択)
・アイテム入手「
春の差し色」
▽特殊入手
【春/「花見る兎」「春衣屋の仕立て屋見習い」】
【夏/「願いを叶える星の子の話」「夏蛍に灯り道」】
【秋/「注文の多いお客様」「秋色森の図書館より」】
【冬/「ゆきと道連れ」「白雪下のかくれんぼ」】
上記シナリオの「春」「夏」「秋」「冬」の内、
其々の季節のシナリオを1つずつクリアした探索者に限り、
アイテム「
四季の彩り」を入手出来ます。
既に入手した事のある探索者であれば、下記リストからひとつ入手して構いません。
(※今回「四季の彩り」を初めて入手する探索者でも、入手後に選択可)
・
星の呼び笛
・
青空流星ロケット
・
生まれた縁を大切に
・
渡り辿りし玉手箱
・
叡智の宝珠
・
開闢の宝珠
・
景色の衣替え
・
魂心の終着点
・
仮宿のすゝめ
・
私の記憶とあなたの夢
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