神坂 怜
◆陣営:justice
◆名前:神坂 怜(かんざか れい)
◆性別 : 女
◆年齢 : 23歳
◆身長 : 170cm
◆体重 : 52kg
◆血液型 : A型
◆ステータス
【HP/4(+26)、攻撃/9(+33)、魔適/1(+14)、*耐久/10(+50)、魔耐/2(+23)、敏捷/4(+1)】
◆装着スキル / SP : 300(+700)
◆
個人ページ
少しはねっけのある黒髪を後ろ下の方で結い、
グレーのハンチング帽を被っている。
Yシャツにネクタイをしめ、ベストにスーツと着込んでいるため
見た目が少し真っ黒な姿をしている。
探偵の女性。瞳は黒で肌は白め。
敬語寄りの丁寧な口調で話し、少し落ち着いた雰囲気を感じる。
カバンの中には探偵仕事用の道具一式のファイルや手帳、ルーペ等が詰められている。
大切な事や職業含め様々な事を忘れてしまったということは思い出せただけ良しとし、
記憶を手繰り寄せられないか思考することが増えている。
手がかりになるかと覗いたカバンには
何も挟まっていないファイルや真っ白の手帳といくつかの道具だけが残っており、
若干途方に暮れている。
遠く霞んだ記憶に映る少女が誰なのか気になって仕方がない。
少女に似た人(アル ビノ、白髪、赤目等)を見ると
思考に意識が飛んでいる瞬間を見るかもしれない。
記憶喪失時はそこまで性格や口調まで変わることなく話す。
◆返還記憶-----
3つ上の姉がいたこと
自分が小さい頃、姉が一度誘拐にあっていること
無事に帰ってきたが幼いながらかなりの恐怖であり、
この先の道を決める一つのきっかけになったこと
ただその先自分は何を目指したのかまでは思い出せない。
あまり神様とは縁のない家だったが。
唯一、一つだけ、父が信じていたヘルメスという神様のお話。
彼は商業、情報、旅人、音楽、話術、様々な才を持つ神だった。
同時に泥棒神の名もあったのだが…。
部屋にかけてあった信仰の印、ケーリュケイオン。またの名をカドゥケス。
その加護を受けることが出来、信じ続けた父。
その娘の私にも、きっとその加護は引き継がれているのだろう。
そう、言われていた記憶を思い出す。
私は姉に全てを押し付けてしまったのではないかと、酷く悩んでいた。
立場、後継、世継、責任、圧力、etc.
重く辛いもの全てを姉に押し付けてしまったのではないか。
私がこの道を、選び、自由に歩けている、
この事はもしかしたら許されてはいけないなのではないか。
姉を縛り付けてしまう、立派な罪ではないのだろうか、と。
姉は笑う。気にしないでいい、と、好きにしても大丈夫だと。
しかし…私は……。
私が、彼女を、選んで、いることも。選べてしまうことも……。
そう悩んでいたことを思い出す。
しかし、どの道を歩んでいたのかも、どのようなものを押し付けてしまったのかも、
彼女が誰かも思い出せないままでいる。
病院の一室、起き上がれない体。
隣で悲しそうな瞳をしているあなた。
”一緒にいられない”。あなたは、そう告げる。
理由はわかっている。私が悪い事も。
”このままでは一緒にいられない”と言う。
私の命を”失うことが怖い”のだとあなたは言う。
私がこの道を外れることがないことも、
この世界から脱却しないこともあなたはわかっている。
だから、告げたのだろう。”ここまでにしよう”
酷く辛そうで、泣きそうで、今にも涙が溢れそうな声で。
私は、何も言えなかった。言えるわけがなかった。
だって、私の返事はあなたの涙を溢れさせてしまうだけだから。
私は、私が守りたいと思っていた人を、私のその手で手放した。
私の意思で、手放したのだ。あなたの気持ちを知ったまま、手放したのだ。
互いに好意捨てられぬまま。互いのその手を離したのだ。
いつもの仕事中。稀にあった事だ。
この世ならざる場所から来たような生物。
この世のどこにもいないであろう生物。
視覚するだけで。認識するだけで。
その声を思うだけで。
心のどこかを掴まれるような恐怖を生み出すおぞましい生物。
出会ったのだ。私は。それに。依頼の途中。人の少ない道で。
私が追っていたそれは。それが。なになのか。認識すると、同時に。
私の意識は。ぷつり、と。
人気の無い道。暗い道。見てしまったが故の道。
見つけた誘拐、追ってしまった体。咄嗟に、無意識かのように。
たどり着いた道の奥。追い込んだと思っていた。
たどり着いたと思っていた。本当に追い込まれていたのは…?
目の前で歪む女性の顔。背後から感じる衝撃。
薄れる意識。
次に目を覚ました時には見知らぬ場所。拘束された体。
問われる言葉は私の持ちうる情報について。
固く閉じ続ける口。いくら、この身に傷が増えようとも。
……いくら時間が過ぎたのか、わからなくなった頃。
体のどこもが痛む。力が、入らない。
かすかに聞こえた声から焦りを感じた。そして、すぐに。
腹部に感じた熱と、それから溢れ出る液体の感覚。
地面の冷たさと、それと、急いで立ち去る足音。
じわり、じわり、と流れ溢れる自らのそれで
体はぬるくなるはずなのに、感じるのは寒さ。
意識が少しずつ、薄れて。暗闇に落ちる瞬間に、聞こえた、慌しい足音。
それから、誰かに、声を、かけられたような。
死んだ。目の前で。
私の手が、あと、少し届かなかったせいで。
守れなかった。私の力が及ばなかったばかりに。
一人の、命を終わらせてしまった。
それが、例え、裁かれるべき罪人であったとしても。
ここで、終わってしまっていい、命などでは、なかったはずなのに。
もっと早く、その手を掴んでいれば。
もっと早く、手を、差し伸べることができたのなら。
もう少し、早く、こちらに伸ばされた、その手を掴んでいれば…。
そうして、目の前で守れたはずの命を守りきれなかった事があったのを思い出す。
悲しみを、寂しさを。仕事で埋めて、埋めて。少し眠ったら、また仕事を。
詰めて埋めて、悲しみに潰されないように。寂しさに襲われないように。
忘れることなんて出来ないから。忘れたりなんかしていいものではないから。
それでも上手に耐えられることなんて出来なかったから。
自分の身を削っているとわかっていながら。
私はひたすらに、仕事にのめり込んでいった。
いつからだっただろうか。
気づいた時には、私は”それ”を理解できるようになっていた。
浮かぶ映像は。瞳。音。動作。表情。
暗い暗い闇。瞳の奥に見える闇。
重い重い闇。耳から脳へ届く闇。
映る色はただただ黒く。届く音はただただ深く。
周りにある視線が、声が。それだと気づく。
見たくない。聞きたくない。気づきたくない。
振り払うこともできず。情報は私の中に入り込む。
嫌悪、憎悪、殺意、嫉妬、恨み、軽蔑、劣等感、怒り、悲しみ、後悔、恐怖、絶望、空虚
闇に、飲まれていく。
思い出していく。たくさんの声を。たくさんの瞳を。
瞳を閉じても聞こえる音を。耳をふさいでも見える瞳を。全て理解してしまう。
そうして闇に飲み込まれてしまいそうだった時間の全てを、思い出す。
何も思い出せなかった、というよりは。
きっと反逆という行動をした事がないのだろう。
そう、ぼんやりと認識をすることができたようだ。
どうやら、私は皆と少し違うらしい。
皆の心がよく分かりすぎてしまうのは、普通ではないらしい。
あまりにも視えるそれは、どうやら気味が悪いらしい。
見透かしたような瞳が気にいらない、そう言われたこともあった。
私は、曖昧に笑ってその場を立ち去るしかなかったけれど。
……好きで、理解してまうわけでは、ないのだけど…。
「無理しないで。」「辛い時は、辛いと言って。」「約束、して。」
そう、彼女は、言っていたんだったか。
あぁ、たくさんの約束をしたのに。私は。
いくつもの約束を守れないままで。
彼女は、それでも、そばにいてくれたのに…。
長くさらさらとした黒髪。
柔らかいけれども奥にはしっかりとした真っ直ぐな輝きが見える黒い瞳。
声は優しげなのに、言葉は力強く。はっきりとモノを言う人だった。
けれど、私へ向けてくれた、優しく包み込むような、そんな愛が。とても心地よかった。
私を好いてくれた事が嬉しかった。私を知っても愛してくれた貴女が好きだった。
少しずつ溺れていくような、そんな愛に、私は身を委ね過ぎていたのかもしれない。
愛している。愛していました。私はいつだって、貴女を愛していたんです。
きっとこれは、愛だったと、信じていたいんです。" "……。
両親は忙しかった。仕方のないこと。
姉さんは姉さんの用事がある。理解していること。
だけれど、本当はもっと一緒に出掛けたり、
皆で食卓を囲んでみたり、他の人達がしているように、私もそうしてみたかった。
言えもしない寂しさを胸の底に溜め込みながら。
心の奥で願っていたことを思い出す。
苦しいと思うことは何度もあった、
だけどそれよりも私のせいで誰かに迷惑をかける方がもっと嫌だった。
だから、私は、悲しみも苦しみも、全て隠そうとして。
「"大丈夫"」「"大丈夫"です」何度も繰り返す。
そうしていれば全部隠していられると思って。
"大丈夫"、だから、ねぇ、ほら、今日も、"大丈夫"だった。
それはまるで呪文のようで。偽って、隠して。
「"大丈夫"」
そう口にした後、鏡に映した私の瞳は…何事もないかのような、そんな色をしていた。
真っ白な髪に真っ白な肌、そして真っ赤な瞳をした身元不明の少女。
戸籍不明、前までどこにいて何をしていたのかも不明、名前すら分からない、
そんな子供を保護したと友人から連絡が来て…
私は気づいたら自分が保護先になると返事をしていた。
それがどうしてだったのかは今ではわからない、わからないでいたいのかもしれない。
ただ一つ理解しているのは…彼女は、守ってあげるべき子であり、新たな家族だった。
それから私は彼女を迎え入れ、名の無い彼女に名前をつけてあげた。
歳のわりに知っている事が少ない子だった、彼女に勉強を教えてあげたり、
どこかに連れて行ってあげたりしながら過ごす日常は、とてもあたたかいものだった。
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遠く霞んだ記憶にいたアルビノの少女について思い出しました。
いわゆる現代、その中でも日本と言われる場所。
高層ビルが建ち並び、沢山の人が行き交う町並み。
魔法や化物なんて映画や小説の中にだけ、そういうものだと私も思っていた。
けれど、どうやらこの世界には案外魔法も化物も隠れていたらしい。
知らないところでひっそりと。
大学で勉学を学び、事務所で職の事を学び。
間の休みには彼女にどこかへ連れ出されたりして。
充実した数年だったのだろうと思う。少なくとも忙しくはあったけど私は幸せだった。
彼女が次の約束をしてくれるのが嬉しくて、私がなんとか間を作ろうとした時もあった。
隣で向けてくれる笑顔が何よりも自分への活力となっていた。
初めて出来た恋人と過ごす大学での日々は、
きっと青春といえるものだったのだろうと思う。
何度も何度も祈るように呼ぶ声が、どこか遠くから聞こえる。
答えてあげたいのに、どうしても瞼が開かない。
手を伸ばしてあげたいのに、ぴくりとも腕が動かない。
動かないと、大丈夫だって、笑ってあげないと、彼女が、彼女が待っている、早く。
ふ、と目の前が白くなる、少しずつぼんやりと黒い影が見えた。
思った通りだ、泣きそうな顔をした彼女がそこにいる。
声は出ない、それでも私が瞳を開けたからか、彼女はついに涙を零してしまって、
怒ったような声で私の名前をもう一度呼んでくれた。
それが嬉しくて、私はそんな彼女の前でつい微笑んでしまったのだ。
顔は分からなかったけど、確かに知っている人がいた。
その傍らには、映画や小説のような、出会ってはいけない、何かが。
その人を、危機に陥れ、傷つけようとしていた。
私の足は、恐怖より先に動いた、その人を傷つけないでと願った。
その人を突き飛ばした瞬間に、その猛威は確かに奮われたのだ。
私の痛みより早く、大切な人が傷ついたと認識した直後の事だった。
その人は、猛威が掠っても、転んでも、その事実が消えていて、代わりに私は…
その人と目が合った瞬間、見ないでと、願った。
気付けば、その人は私を気にかけることなく、恐怖の対象を見て逃げ出していた。
認識を消し去るような力を、手に入れてしまったのだと悟った。
人から依頼を受けそれを解決する仕事、「探偵」をしていたことを思い出す。
ある時は何かを調べ、ある時は追跡し、ある時は人を守る為に動いて。
その為に変装や武術を習ったりもしたし、法律など様々な事も勉強しなおして…。
時々危険なことに襲われる事もあったけど、それをどうにかするのも仕事の一つで…。
包み込まれるぬくもりと、小さく囁くような姉の歌声。
暗い部屋には私の呼吸をする微かな音とその歌だけが響いていた。
逃がさないとでもいうように、だけどその抱きしめる力は決して強くない。
あぁ…もう、そんな歳でもないというのに…。
だけど、今だけは、捕まっておいてしまおうか…。
私の家は所謂、裕福な家庭、というものだった。
父は社長を、母はその秘書を務めていて、毎日忙しそうにしていた。
姉もその仕事を継ぐ為に猛勉強の日々で机に向かっている時間も多かった。
私はというと、読書をしながら一人で過ごすか、
姉ほど頭は良くなかったが
それでも少しでも追いつけないかと同じように机に向かっていたくらいで。
あまり家族との思い出がないのだという事実が、少しだけ寂しく感じた。
私は人より少しだけ感覚が鋭いらしい。
らしい、というのは…
私がそれを生まれつき扱っていたからで、本来の感覚がよくわからないから。
瞳を見れば大体考えていることがわかる、
声を聞けばある程度どういう感情なのかがわかる。
ある程度生まれつき鋭い人もいるらしいけど、その中でも私は感じ取りやすいようで。
これが普通でないと気づくのに私も時間がかかった。
それに気づいてからの私はそれを正しく扱う為の勉強を始めたけど、
それでも、成長と共に増える周りの感情の波に襲われては気分を崩してもいた。
今だって、本当は扱いきれていない。
あまり、沢山の人が居る場所に長時間いると
人酔いのようなものに襲われてしまったりもする。
きっとこれからまだこの瞳と耳に悩まされ続けることにはなるのだろうけど。
それでも、私はこれから先この瞳と耳に悩まされ続けたとしても。
自ら潰してしまうことは出来ないのだろうと思う。
これはある種の病なのだろう、一人を怖がるのに一人を望む。
嫌われる事への不安、必要とされなくなる事への不安。
矛盾の中で私は私の首を絞め続ける。
私はこの不安と共に生き続けるのだろう。
少しずつ心を死に近づけながら。
予兆は既に出ていたはずで、私がそれから目をそらしていたから。
そのままにし続けていたから。
ある日から胃がつきりと痛むようになった。理由は、なんとなくわかっていた気がした。
日に日に咳が出るようになって、風邪の症状は出ないままで。
それでも、そのままにしていた私が悪いだけの話なのだけれど…
ついに私は倒れてしまった、少量の血を吐いてから。
その後一瞬記憶が飛んでしまっているので、目覚めてから聞いた話によると
ストレスが原因で胃を痛めてしまっていたらしい、
それを放置して悪化させた結果だったそうだ。
しばらくして治りはしたけども……
今でも、時折咳が出ると、胃につきりと痛みが走る。
私はまた、見ないフリをし続ける。
例えそれが、馬鹿な事だと自分でわかっていても。
本を読み、知識を得る。
最初は知識をつけなくてはという意識から読み始めたそれは
いつしか私の楽しみになっていた。
何かを学ぶ為の本、物語をなぞる本、過去にあった話、未来の話、
様々な本を読む時間が好きになり気付いた頃には
私の部屋には少しずつ本が溢れていくようになった。
"知識をつけなくてはいけない"が、"知識をつけたい"に変わり、
本を読むたび知識を得ていくような感覚がとても好きになっていた。
初めてその仕事に触れた時、私は確かに希望を感じた。
私はきっと誰かの為になりたかった。
誰かの為に身を捧げられる仕事に就きたかった、のだと思う。
看板に書かれた字を見て立ち止まっていた時、声をかけられて事務所に行った時
私は何かが、拓けたように思った。
不意に、眼前に貴女の顔が広がった。
咄嗟に瞳を閉じるよりも先に唇を奪われる。
口内に広がるじんわりとした苦味、それから顔を離した貴女の満足気な顔。
「ねぇ、知ってる?怜の唇って、とても甘いのよ」
喫煙者は非喫煙者を甘く、
非喫煙者は喫煙者を苦く感じるのだと見たのは何の本だっただろうか。
…私は、貴女が甘さを感じていられるのなら、
ソレに手を出す事はこれから先ないのだろうと、思っていた。
まだこれから先も一緒にいるのだと信じていた時の甘くて苦い記憶。
「私、こんな事で怜の友達やめる気なんてないんだから」
涙の混じった声にどこか力強い色を乗せて彼女は告げた。
ヒリヒリとした頬の理由も涙の理由も分かっていたというのに、
彼女はそれでも私のそばに居るのだと言う。
「だって、怜のそういうところも、怜なんだもの」
抑えきれなかった涙がこぼれたままの笑顔で彼女が教えてくれた。
「でも、これっきりなんだから。次はない事だけ、覚えておいて」
意地悪いような顔でにっと笑った彼女はもういつもの彼女で。
私はただただ、頷いて、反復して、覚えて、
そうして何度目かの謝罪を口にすることしかできなかった。
思えば私は対立を避けて生きてきた、タイプの人間だと思う。
瞳のせいか私自身の性格のせいか。
人に嫌われる事が怖かった私は、嫌われた時点でその人と距離を離してきた。
対立らしい対立をせず、そうなり得る時も自ら折れる等して避けていた。
幸い、早く気づくことのできる私は、そちらのほうが得意だった。
私はあなたにどんな選択を強いてしまったのでしょうか。
それとも伝えてもらえただけあなたはよかったのでしょうか。
自身にできることがあると知れたことは、いいことだったのでしょうか。
自身の犠牲で助かる命があるなら、ましてや友人であれば、
差し出してしまうその気持ちがわかってしまう私は……。
……せめて、あなたのことを忘れないでいられるようにと。
私は、願うのです。
(NPCクズハさんの事を覚えておきます)
「"情報は力となる"」
「相手を知ればどう戦えばいいか先を見る事が出来る」
「場を知ればどう動けばいいか理解する事が出来る」
「しかし、時としてその情報が自身の動きを妨げる事もあるだろう」
「勿論、知りたくなければ目と耳を塞げばいい、だがその結果も受け入れる覚悟をしなさい」
「私がどうしてこの言葉を伝えたかだけは、自分でよく考えなさい。」
今は亡き祖父からの言葉の記憶。
今もどこかに残り続けている言葉。
依頼の中で時々奇怪、というよりも…恐らく、本来人が出会ってはいけないのであろう何かと遭遇してしまう事があった。
それはどこかで見たような生物であったり、本の中でも見た事がないような、生物と呼べるのか分らないモノもいた。
それらは時折私達の前に現れては、なにかしらの傷を残していく。
しかし、それでもそれらを信仰する者もいた。まともな眼をしていた人は殆どいなかったが、
その人達はそれらから得た知識を使い"魔術"を使用していた。
私にも、…その知識が、いつの間にか、入り込んでいて…
………私は、どこで、その知識を、得たのだろうか…
ただ、私も、それを使えるようになっていた事は確かだった…。
見てしまった。いや、きっと見せられた、が正解なのだろうと思う。
彼でも彼女でもなくなったソレの姿を。
私は、本能的に嫌悪し、恐怖した。
見るほどに心のどこかが擦り切れるような音を立てていくというのに、
私の視線はいつまでもソレを見つめていたままで
じろり、とソレがこちらを見、口のような場所をニィと歪めた時
地面に吸い付いたかのように私の足は動かすことすらできなくなっていた。