雪待 かなめ
◆陣営 : Justice
◆名前 : 雪待 かなめ (ゆきまち かなめ)
◆性別 : 女
◆年齢 : 14歳
◆身長 : 160cm
◆ステータス
【HP/5、攻撃/9、魔適/8、耐久/6、魔耐/5、敏捷/2(+5)】
◆装着スキル / SP : 300(+30)
◆
個人ページ
肩に触れない位置で綺麗に揃えられた白磁色の髪、
後頭部の位置で黒の大きなリボンを留めている。
澄んだ蝋色の右目と濃紅色の左目、異なる色合いの瞳を持つ。
無表情にも近い顔で、周囲を見つめているだろう。
ケープとセーラー服を合わせたような、何処かの学校制服を身に纏う。
暑いのか見苦しくない程度に着崩す事が多いようだ。
人が大嫌いだ。熱を持つ生き物が嫌いだ。
愛せず、信じ過ぎず、期待せず、依存せず、執着せず、夢を見ず、
……ある意味ではそのまま、誰よりも正しい距離感で。
其れでも自身が"人"である限り、人と関わる事をやめられないのを知っている。
そんな状況に身を委ねるしかない位、
ひとりで生きる力など無いと分かっている筈なのだから。
一人称:私、俺
二人称:あなた、お前、呼び捨て等
ふとした瞬間、失くした記憶のことを考え思い出そうとしてしまうくらいには。
"失くす"という事を気にしているのだろう。
大した事無いと思いたくても、
やはり、あったものが空白になる感覚は慣れないものだ。
◆返還記憶-----
和の趣を感じさせる、取り残された遺物のような家の中。
広い広い家の中は、何も無くともなぜか"恐怖"を覚えるような居心地の悪い冷たさを纏っていた。
突然に。起こる。何かが小さく、はじけるような異質で微かなノイズ。数秒後、屋敷の表と裏、二箇所の扉が“吹き飛んだ”。爆発音に身をすくめる間も無く無数の人間の足音が、薄気味悪いほど整然と、素早く、無駄なく、突入する。直後に薄っぺらい発射音がそこかしこに響く。パタタタタ、パタタタタ、……並べた本を倒すように。人が倒れていく。一部の幸運な、“余裕のあった者”は、悲鳴や断末魔を叫び、血を流す。時計の針が一周するよりずっと速く事は為される。定められた通りの執行。
…、…、…、
耳を強く塞いで、此れ以上なんてないという程に身体を縮こませて。"もしも"逃げられなかった時のためにと。言われていた場所へと隠れて、自分の招いた"死の音"から逃げていた。…でも、ああ、私を探している声が聞こえる。恐ろしい声が。普段、滅多に名前など呼ばない癖に。必死になって、……あれは、本当に怒っている時の声だ。怒りで我を忘れている、親の声だ。出てはだめなのに。ダメだと、頭ではわかっていた筈なのに。"此処で出ていかなければどうなるかも知っていた"私は、ふらりと、自分の身体の操縦を握れずに襖を開けて歩みでてしまう。声の方に歩いていくたびに、誰かが冷えていく音が近づいてくる。
そうして、
私を見つけた親の眼と、眼が合った瞬間。我を取り戻す。
お前だろう。と。
物語っていた。何も言っていないのに。何も見ていないのに。
常日頃から決めつけられていた其れは……、皮肉にも、今日ばかりは正しかったわけだ。
此方へと伸ばされる手が触れそうになる瞬間に、踵を返して走り出す。
廊下に並べられている調度品にぶつかり、倒し、脚をもつれさせながら必死に走っても、
こんな身体では何の抵抗も出来ず、すぐに追いつかれて、…、
必死に駆けた先、……漆黒の闇の中に、見知った顔を浮かび上がらせる。
先行する部隊の後で状況把握に立ち入ったと思しい彼らも、間も無く、逃げ惑う少女に気づく。
「君、」
「あっバカ! 何出て来てんだよ……!」
「こっちに来い、早く!! あともう少しだ、」
言って、銀髪の男は駆け出す。彼は速いが、少女の足がもつれて、危うく転び駆ける。差が縮まる。黒髪の男は無言で拳銃を構えた。グリップは迷いなく不動だが……顔つきが険しくなる。ふらつく彼女の動きを予測できない。
「ああクソ、あぶねえ!」彼は少女の背後を見ている。刃物でも握っているのか、
「もう少しだ、頑張れ、倒れるな!」
体勢を崩し、床についた手をなんとか押し返して、私は走る。ああ、だが、遠い。距離が遠い。背後に迫る二親の、両手が、私の髪飾りに伸び、……そして、空を切った。正面の彼らも、思わず振り向いた私も、何が起こったかわからなかった。突然二人が転び、倒れたのだから。やがて頭が遅れて状況を察する。直前に、それは軽やかな発砲があった。二発、二人の足元を狙った。
「ダメじゃない。ねえ?」闇の中でも目立つ金髪。場違いに陽気な声。
「ちゃんと『計画通り』しなくちゃさ。こういうことになるんだから」
自然な歩幅で床の二人に近づいた金髪の男は、これまた自然な動作ですっと弾を装填した。
「まったく危ないところだったねえ」一発。二発。
「ま、大事がなくてよかった」転がる頭を撃ち抜いて、笑う。
止まりそうな息を、必死に吐いて、吸って、吐いて……、
あっけなく終わったものを一瞥して、…、……、…、
…待て。……今、この男は、"何"を言っていた?
どくんと、煩く聞こえる心臓を潰してしまいそうなほどに、胸の服を握りしめて。
死体から見上げた其の視線の先には…、"何もない"とでも笑う男の姿があった。
………………其の長い足を折り屈み、助け起こす仕草と同時に呟かれた音は。
きっと、私にしか、聞こえなかった。