かなし雨
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陣営:制限無し
推奨人数:1〜3人
推奨スキル:回避、注視、幻視、技術_アイドル
準推奨スキル:透視、範囲探知
※出目・期待値への補正アイテムやスキルがあると便利です。
時間:3時間程度
GMボーナス:ステータス成長5pt or SP50
ダンジョン「雨霧のはずれ」専用シナリオです。
ミニゲームとRPがメインで、戦闘はありません。
クリア失敗は基本的にはありません。
◎制限時間はなし。
※シナリオに書かれていない情報については、GMの裁量にお任せいたします。
以下、フレーバー文となります。
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雨音 はねては 霧の中
おいで おいでと 招き雨
つらい さみしと 哀し雨
しとしと ちゃぷちゃぷ あめあそぼ
かさを ならべて あめうたお
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子供たちと「雨遊び」を楽しみ、かれらの哀しみを慰める。
エンディングは1種類。(エンディングまでプレイすればクリア)
気が付くと、君は見知らぬ人々に囲まれていた。
どうやら道端で倒れていたらしく、心配そうに人々は君の様子を伺う。
「おい、あんたたち大丈夫か。……もしかして、幼い子たちと雨遊びをしたか?」
「雨遊び。あれはな、古くから伝わる子供たちの遊びだが、元々は慰霊の儀式だったものだ」
「こんな雨の日に、あれは人を呼んで、招く。
遊んで欲しいと、……先の戦災で命を落とした、子供たちだ」
「おっかさんや、おっとさんのところへ帰れずに、つらい、さみしい、……ってな」
「でも、悪いものを起こす子らじゃあないから、不気味だろうが、安心してほしい」
そう説明した初老の男性は、降る雨の向こうにある橋を指さした。
「……あの橋を、渡りなさい。呼ばれたもんは、あれを渡れば元の場所へ帰れる」
「気を付けて、いくんだよ」
……しとしとと落ちていく雨の中、その橋を渡っていく。
一歩、一歩と歩みを進めるたび、哀しい最期を迎えた子供たちの、
すすり泣く声が近づいては、遠くなる。
視界の先に見慣れた森の景色がぼんやりと映るころ、背後で声がした。
「ありがとう、さようなら」
森に辿り着くと、先ほどまでの記憶は消え失せていた。
どこで、なにをしていただろう。惑う君の耳に、かすかに残る雨の音。
──かなし雨。帰れぬ頃を想っては降る、それは誰かの慰めと。
以上でシナリオクリアとなります。お疲れさまでした。
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探索者が雨霧にかすむ空き地で出会う、そうたとはなびの二人は、
50年程前のこの国、雨ツ国においての戦災で命を落とした子供たちだ。
家族や友人のもとへ帰られず、寂しい、哀しいというかれらの心が、
しとしとと降る雨の日、一緒に遊んで欲しいと、思い出の中の遊び場へ人を招く。
君たちが事情を聴こうとしても、二人は切なげに言葉を濁すだろう。
いまこのときは、寂しさを忘れて、楽しい時間を過ごしたいという思いが強いためだ。
もし本当のことを言ってしまったとして、
怖がられたり不気味に思われることを恐れている、とも言える。
おでこを出した、短い黒髪の12歳ほどの男の子。
古布で縫われた紺色の甚平を着ている。
人懐こく元気いっぱいの、子供らしい性格だ。
はなびは、空き地で一緒に遊ぶ、仲良しの友達のようす。
「どんくさいな」など、ときたま、
はなびを馬鹿にするようなことを言うこともあるが、
悪意はなく、注意すれば素直に謝るだろう。
【一人称】
おれ
【口調】
だよ!、だな!、
かな?、すっげー!など
砕けた元気な子供の口調
肩程の長さまで黒髪を伸ばし片側で結った、7歳ほどの女の子。
古布で縫われた橙色の着物を着ている。
少々照れ屋で大人しいが、子供らしく素直な性格だ。
そうたは、空き地で一緒に遊ぶ、仲良しの友達のようす。
ときどき、そうたの言葉でしゅんとすることもあるが、
楽しく遊んでいるうちに忘れてしまうようだ。
大人へ憧れがあり、惚れっぽいところがある。
【一人称】
はなび
【口調】
だよ……、かな……、はなびはね……、など
たどたどしく、大人しめの口調
二人との別れのあと、目覚めた君たちに
事情を説明する初老の男性は、かつての二人の同級生だ。
二人の名前を聞けば、懐かしそうな表情し、その死を悼むだろう。
「私は運がよかった」と二人を失ったことへの悲しみを滲ませながらも、
二人の寂しさを埋めてくれた君たちへ、心からの感謝を示す。
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探索者はしとしとと雨の降る中、傘をさした状態で意識を取り戻します。
周囲は白い雨霧に囲まれており、辺りの様子を伺うことは難しいですが、
ふと聞こえてくた子供の歌声をたどれば、
NPCたちが遊んでいる空き地のような場所へとたどり着きます。
NPCたちは探索者たちに、一緒に「雨遊び」をしないかと誘います。
これはNPCたちが探索者をここへ招いた目的であり、願いでもあります。
断れば、NPCたちは寂しそうな表情をしますが、無理強いはしません。
その場合、雨霧にはばまれるように意識が遠のき、そのまま帰還となります。
この場合は報酬を受け取ることができず、クリア失敗となります。
探索者がNPCたちに危害を加えようとした場合も同様の処理となります。
探索者が承諾すれば、喜んでお礼を言うNPCたちと共に、雨遊びを楽しむことになります。
雨遊びはミニゲーム形式であり、使用できるアイテムやスキルの制限はとくにありません。
ですが、判定を「最良の結果」にするなどの効果の場合、そのまま反映をせずに、
大幅な出目・期待値への補正などに効果を変更することを推奨します。
「一緒に遊んでもらうこと」がNPC達の願いであり、
その詳しい心情については【2.用語やアイテム、人物、舞台】の中の
『雨霧のこどもたち』を参照してください。
それでも、子供たちの寂しさに理解を示し、慰めようとするのならば、
子供たちは隠していた哀しみをあらわにして、涙を落とすこともあるでしょう。
雨遊びを終えると、NPCたちは心からの感謝をこめて、お礼のお守りを渡します。
そのあといくらか会話することも可能ですが、だんだんと視界は白んでいき、
気が付けば雨の降る中、見知らぬ人々に囲まれて目を覚ますでしょう。
人々の中のひとり、探索者に事情を説明する初老の男性は、
あの空き地にいた子供たちの、かつての同級生です。
探索者が二人の名前を出すことがあれば、
男性は哀し気に、けれど懐かしさを滲ませた表情を浮かべるでしょう。
男性も、二人の命を慰めてくれた探索者たちに、心からの感謝を述べます。
男性に示された橋を渡れば、拠点に辿り着きシナリオクリアとなります。
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雨音 はねては 霧の中
おいで おいでと 招き雨
つらい さみしと 哀し雨
しとしと ちゃぷちゃぷ あめあそぼ
かさを ならべて あめうたお
……はて、唄うのは誰の声か、……
⇒【雨霧のはずれ】へ
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ふ、と意識が降りてくる。
君は白い雨霧のなか、いつかどこかで使っていたのだろう、
そんな覚えのある使い慣れた傘をさして、歩んでいた。
辺りはとても静かで、しっとりと湿気を含んだ空気の中、
しとしとと雨の降る音がひびくばかりだ。
『♪ しとしと ちゃぷちゃぷ あめあそぼ ♪』
『♪ かさを ならべて あめうたお ♪』
……と、どこからだろう。
雨霧がはばむ視界のむこうで、幼い子が唄う声がかすかに聞こえた。
その声を辿るように進んでいけば、開けた空き地のような場所へ出る。
そこにいたのは、小さな傘をさして唄い遊ぶ二人の子供だ。
10歳ほどの男の子、それよりも少し幼く見える、7歳ほどの女の子。
二人とも古布の和服を着て、どこか寂し気に雨と戯れていた。
そして、はっとしたように君たちの姿に気づくと、こちらを向いてぺこりと頭を下げる。
「……あ!こんにちは?」
「しらないひとだ。えっと、……こんにちは」
そう挨拶すると、二人ははしゃいだように駆け寄ってくる。
「あのね、よかったら、おれと、はなびと、……みんなで一緒に、雨遊びしない?」
「そうたと、ふたりでも楽しいけどね、
ちょっとだけ寂しかった。はなびたちと、一緒に遊んでくれたら、うれしいな……」
君たちがそれを了承すれば、そうたとはなびの表情はぱあ、と
明るくなり、嬉しそうに笑ってお礼を言うだろう。
二人は君たちを空き地の中へと招くと、「雨遊び」についての説明をする。
なんでも、この雨ツ国(あまつくに)という場所では、年中雨が降っているらしく、
雨の日でも子供たちが楽しく遊べるようにと、古くから伝わって来た遊びなのだそうだ。
▼二人と「雨遊び」をする ⇒【黄泉水除け】へ
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「えっとね、雨遊びはね、いくつかあるんだけど……、
一個めは、『黄泉水よけ』にしよっか」
「水たまりは、黄泉の国に繋がってるっておはなしがあるんだ。
だから、ぴょんぴょんって、それをよけて進む、遊びだよ」
この空き地には丁度、5つほどの水たまりが並んでいる場所があった。
二人はこれにしよう!と頷くと、君たちを手招くだろう。
「んっと、こんなかんじ……。上手に、できるといいね」
【黄泉水よけ】
[1d100<=60]で[5回]判定します。
「回避」で[-1d消費SPの半値]の出目補正がつきます。
成功した数だけ、水たまりを上手に避けれます。
失敗すると、水たまりへぼちゃん!としてしまったことになります。
上手にできるよう、頑張って!
※すべての判定に成功でクリア扱いとなります。
失敗した場合のペナルティなどはありません。
「えへへ、簡単な遊びだけど……、おれは、結構たのしくて、好きなんだ」
「……黄泉の国って、ほんとうにあるのかなあ……」
▼次の遊びをする ⇒【傘まわし】へ
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黄泉水よけが終わると、二人は「次の遊びをしよう!」とはしゃぎます。
「次は、『傘まわし』にしよっか。その名の通り、傘をまわして遊ぶんだよ」
「どうやって回すかは、決まりがあるんだ……。はなびがお手本するから、みててね」
そう言ったはなびは、す、と背筋をのばして傘を持つ。
そうして、傘をまっすぐさした状態のまま、左へ二回、右へ三回傘を回すと、
とんとん、とつまさきで左右一回づつ地面をたたき、傘を上に持ち上げて、
最後にその場でくるりと身体を一回転して、お辞儀をした。
「……わかった?はなび、ばかだから、覚えるの時間かかったけど……、
練習したら、おぼえられたから、きっとできると、思うよ」
【傘まわし】
[1d100<=80]、[1d100<=60]、[1d100<=30]の順で、各一回づつ判定します。
「技術_アイドル」で、[-1d消費SPの半値]の出目補正がつきます。
成功すれば、上手に傘を回せたことになります。
失敗すると、やり方を間違えてしまったりします。
綺麗に傘を回せるように、頑張って!
※すべての判定に成功でクリア扱いとなります。
失敗した場合のペナルティなどはありません。
「傘回しは、雨と一緒に降りてきた天のお使いが、
きちんと空に帰れるように、送ってあげるためのものなんだって」
「お使いさまは、どんなすがたをしてるんだろう……」
▼次の遊びをする ⇒【あまつむり探し】へ
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傘まわしを終えると、二人は「じゃあ、つぎはね……」ときょろきょろ辺りを見回します。
「……うん、このあたりでも見つかりそう!次は、『あまつむり探し』をしよう」
「あまつむり、っていう、青くてきれいな殻をもってるかたつむりを、いっぱい探すんだよ」
二人はそう説明すると、空き地に咲いている紫陽花の葉のうらなどを探し、
いた!と見つけて、君たちのところへ見せに来る。
たしかに殻の色が青く、そこから顔を出す身体は
透明に透き通っており、珍しいものに見えた。
「多分、さがせばもっといっぱいいるから……がんばろ!」
【あまつむり探し】
[1d100<=50]の判定を[3回]行います。
成功した場合、[1d3匹]のあまつむりを見つけることができます。
「注視」や「幻視」や「透視」でそれぞれ[-5]の出目補正を得られます。
「範囲探知」で成功時の発見数に[+1]できます。
これらのスキルは、全て併用が可能です。
隠れているあまつむりたちを、たくさん見つけましょう!
※あまつむりを一番多く見つけたPCに追加報酬があります。(クリア後を参照)
また、PCが希望すれば、あまつむりを一匹だけ持ち帰れます。
★アイテム入手:
「あまつむり」
「あのね、一番多くみつけられたひとには、
次の雨の日に、きっとなにかいいことがあるって言うよ」
「あまつむりは、のんびりゆっくり、雨と一緒にちいさなしあわせを運ぶんだって……」
▼遊びを終える ⇒【雨のお守り】へ
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一緒に雨遊びをしてくれた君たちに、
「とってもたのしかった、ありがとう!」と二人はあらためてお礼を言う。
そうしてなにやらごそごそとすると、
藍色の小さなお守りのようなものを取り出して、君たちに渡す。
「遊んでくれたお礼に、どうぞ!」
「小さなわざわいから、雨がまもってくれますように、っていう、おまもりだよ……」
★アイテム入手:
「雨守り」
君がそれを受け取ると、白い雨霧はどんどんと濃くなっていく。
そのむこうで、二人が手を振っているのが見えた。
君と別れることが寂しそうに、……けれど、心から感謝するように。
やがて視界は濃く白く覆われ、意識も遠のいていく……。
⇒【シナリオクリア条件:Ending「かなし雨」】へ
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▽クリア報酬
・ステータス2pt or SP20
・「慰め」または「子供の頃」の記憶
▽追加報酬
・「黄泉水除け」クリア:+1pt or SP10
・「傘まわし」クリア:+1pt or SP10
・「あまつむり探し」一位:+1pt or SP10
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